山都の有機農業を
とおして
体験・交流する
「たべる
-
まなぶ
-
つながる
-
そだてる」
の良好な環境関係人口
創出プロジェクト
株式会社山都竹琉
熊本県山都町
プロジェクト概要
山都の有機農業をとおして体験・交流する「たべる-まなぶ-つながる-そだてる」の良好な環境関係人口創出プロジェクト
- 団体名
- 株式会社
山都竹琉 - 実施地域
- 熊本県山都町
事業概要
自然共生サイトである「Present Tree in くまもと山都」を中心に、有機農業を軸として、農産物を活かした地域の認知度向上、教育旅行・農業研修・エコスタディツアーの受入体制構築、観光プログラム開発等を行い、アグロエコツーリズムの構築を目指す。
主な実施内容
更新
- ターゲットに向けた販路構築:多言語化ツール整備と実装
- インバウンド受入民泊の拡充・コンテンツのパッケージ化
- 国内外の教育機関・企業への販路拡大
プロジェクトへの想い
山都町は有機農業の歴史を50年以上持つ全国でも非常に希少な地域。
水俣病を契機に、村人が山の暮らしと下流域のつながりに目を向け、松くい虫防除の反対運動が始まりました。無農薬の田んぼにはゲンゴロウやタガメなど多様な水生生物が多く生息。次世代にこの環境を継承するため、「食べる、学ぶ、つながる、育てる」を軸に観光開発に着手しました。田んぼに入り、竹を使った「かぐや米」づくりや羽釜での炊きたて体験を通じて、大地との繋がりを実感できるプログラムを構築し、経済活動と環境保全の両立を目指します。
九州地方環境事務所 森 真二
「有機農業全国No.1のまち」。
50年以上前から自然環境との調和や負荷軽減に取り組まれている山都町は、令和5年に自然共生サイトに登録されています。「棚田」と日本最大級の石造りアーチ水路橋「通潤橋」が地域の象徴となっており、熊本県内唯一の人形浄瑠璃「清和文楽」といった日本の伝統芸能もある山都町の魅力が、今回の事業を通じて世界に広がり、地域資源の保全と活用につながっていくことを願っています。
実施内容
「良好な環境」の保全と活用による好循環の実現に向けて、これまで実施した内容の一端をご紹介します。
令和8年度
掲載日:
国宝・通潤橋の田んぼにおける田植え&泥んこイベント
楽しめる田植のイベント化を目指して、徒競走や綱引きなど泥んこイベントを組み入れました。次世代を担う矢部高校生や大学生も参加し、良好な環境に資するネイチャーポジティブな一日となりました。
田んぼの除草作業の一環として、学生によるガンズメ体験
矢部高校の食農・林業科の生徒、環境学部に所属する大学生が参加し、田んぼの除草作業の一環としてガンズメ押し体験、通潤橋の観光客らの視線を浴び、学生も奮闘していました。良好な環境を引き継ぐ未来の担い手に向けた貴重な体験となり、後日、生徒らの祖父母からお礼の連絡を受けました。
生きもの田んぼ観察会
国宝:通潤橋の最上流域の農薬不使用の田んぼにおいて調査を行った結果、希少な水生生物の生存確認ができ、水生生物の見る化を通して食物連鎖が一目瞭然となり、講師の林先生による見える化チェックシートの説明がわかり易く好評でした。台湾出身の家族も参加され、子供たちへの良好な環境を肌で感じる貴重な原体験となり子供から大人まで楽しめました。
生きもの観察会後はお待ちかねのランチ
昨年に商品開発したカグヤ米の白ごはんをメインに発芽玄米の冷や味噌汁と、ふりかけのみのシンプルなランチメニューです。環境に優しいお米づくりを通じて、「おかずがいらないご飯」をコンセプトにしているため、おかわり続出でした!
実施団体と共に、現場で奮闘されている方から、本事業での想いと
未来への期待について、コメントを頂きました。
JA矢部有機農業研究会は、2002年に発足した熊本県山都町の生産者による研究会です。50年以上、培われてきた有機農業の里である山都町の良好な環境を次世代に遺すべく、化学農薬や化学肥料を使わない有機米や有機野菜の栽培を通じて、増加傾向にあるインバウンド(オーガニックの追い風)を視野に入れながら、田植え体験や生き物観察、自然・生物多様性の保全活動に取り組んでいます。今年から国宝の通潤橋前の田んぼにおける泥んこイベントが復活するなど、楽しみながら地域の有機農業の発展と普及に取り組んでいます。
令和7年度
掲載日:
8月30日、矢部地区で実施した企業モニターツアーの水田除草作業体験の様子
若年層の就職支援や人材紹介事業を行う福岡の会社から企業モニターツアーで5名に参加いただき、米づくり体験・源流ツアーを行いました。生命の源と言える水の水源地訪問、有機水稲栽培の利水状況、国宝:通潤橋の放水に至るまでの水循環の流れを理解し、若手社員が農作業に取り組むことで人とのつながりを実感するリアルな価値ある体験を通して、営業先とのコミュニケーション能力の向上および社員教育の一環として、良好な環境を維持することへの理解が深まってきています。
9月3日、矢部地区で実施した「株式会社山都でしか」による農泊事業の取組に関する意見交換の様子(左2人の有識者:宮氏、楓教授に対して説明する山都でしか代表の八田氏:右端、中央:山都竹琉の野口)
町内の若手農家を中心に組織され、山都町でしかできない事業に取り組む地域おこし会社「山都でしか」代表の八田氏から、設立経緯や農泊事業、インバウンド受入と事業連携について意見交換を行いました。
9月11日、矢部地区で実施した大学生スタディーツアー、有機米と発酵丼に関する下田氏(中央奥)からの説明の様子
山都町を矢部:通潤橋散策・イチゴ観光農園視察、清和:ジビエ・文楽体験・トマト農業視察、蘇陽:宿場町散策の3コースに分かれ、各コース約30名の合計約90名の学生を対象に、地域の課題解決型学習のフィールドワークを行いました。昼食には、地域特産のジビエや有機米を使用した発酵丼など地域資源を活かした食材や取組などを事例報告し、良好な環境の維持保全に対する地域がかかえる課題への学生の理解が深まっています。
10月11日矢部地区で実施した留学生モニターツアーの稲刈り体験の様子@国宝:通潤橋前
水銀研究を行う留学生及び熊本県立大学の環境共生学研究の学生など10名に参加いただき、稲刈り体験・源流ツアーを行いました。生命の源と言える水の水源地訪問、有機水稲栽培の利水状況、国宝:通潤橋前の田んぼの稲刈り体験に熊本県知事も参加されるなど、水源地の真水を飲み治山治水や水源涵養、水の循環をリアルな価値ある体験を通して、地域ならではの教育学習が広がり、学生たちの地域資源の積極的活用に対する理解が深まってきています。
実施団体と共に、現場で奮闘されている方から、本事業での想いと
未来への期待について、コメントを頂きました。
有機農業を核とした地域おこし会社として、農作業体験や農泊を通じて本事業に協力しています。近年はインバウンドの増加を実感しており、日本一の有機農業の町という山都町だからこそできる有機農業体験などを継続することで移住定住者の増加につながるネイチャーポジティブな交流に力を入れています。 同じような志で集まった仲間と共に、移住定住の促進や「第二のふるさと」作りを目指し、地元ならではの魅力を掘り下げ、自分たちも楽しみながら、山都町でしかできない「オンリーワンダフル」な取り組みを国内外へ広げていきたいと考えています。
プロジェクト報告
令和7年度 最終報告
アコーディオンを折りたたむ
令和7年度 最終報告
アコーディオンを折りたたむ実施団体より令和7年度の事業成果について整理し、
今後の予定も含め報告いただきました。
リジェネラティブな観光地域づくりに向けた令和7年度の進捗を受けて、
本事業に取り組んだ実施団体の方と、伴走した環境省担当者からのコメントを頂きました。
▼実施団体と環境省からのコメント
水を軸に、環境・食・文化を物語として発信
都市と農村をつなぐ関係人口の創出に挑戦。
環境省や有識者・専門家からの支援・助言を受ける中で、日々の暮らしの中にある環境の良さを改めて実感する機会となりました。水を軸に、水生生物や有機農産物、米づくりなどの文化・歴史や生業を物語として発信し、都市と農村の共生関係を伝えていきます。海外調査で出会った研究者など志を同じくする仲間との連携も深めながら、「たべる、まなぶ、つながる、そだてる」をキーワードに、良好な環境を支える関係人口の創出を目指します。
自然環境計画課
ネイチャーポジティブ
推進室 坂本 勇介
有機農業を軸に魅力を届ける、オーガニック・ブランド発信型アグロエコツーリズムへの挑戦。
株式会社山都竹琉の取組は、有機農業を軸とした体験づくりを通じて、山都町の魅力を心地よく伝える「オーガニックなブランド発信」として大きな可能性を感じています。モニターツアーの実施や多言語ツールの開発、ガイド育成、民泊受入体制の強化など、来訪者との接点を丁寧に広げている点が印象的です。今後、これらの取組が地域の価値を高め、山都らしいアグロエコツーリズムへと進化、発展していくことを期待しています。
令和7年度 中間報告
アコーディオンを折りたたむ
令和7年度 中間報告
アコーディオンを折りたたむ実施団体よりこれまでの進捗状況と今後の展開について報告いただき、
伴走する有識者・専門家からも所見をいただきました。
本モデル事業では、有識者・専門家・環境省・事務局がひとつのチームとなり、各プロジェクトの推進をサポートしています。有識者からは、事業全体を見据え、保全と活用の好循環の形成に向けて中長期的な視点でのアドバイスを行っています。そして、専門家からは、有識者からのこのようなアドバイスを踏まえ、より地域の実情を踏まえた実践的なアドバイスを行っています。
▼有識者および専門家からのコメント
観光まちづくり学部 教授 楓 千里
海外経験豊富で強力なリーダーのもと、論理的かつ熱意に溢れる事業が進んでいます。留学生モニターツアーなど多くの施策を実施する中、次の鍵は優先順位を定め、観光客の受入体制を整備することです。有機農業に強い誇りを持つ農家が多く、自らの言葉で生きる知恵を語りながら地域を一緒に歩くことは、観光客には宝物になるでしょう。移住者も多く、観光客との交流に活躍してくれそうです。情報発信では、国宝・通潤橋を軸とした「水と山と町」のストーリーや、関わる人々の山都町に感じるそれぞれの「誇り」がより多くの方に届いていくことを願っています。
竹資源を活用した「かぐや米」を手掛ける農業事業者が地域の新しい魅力づくりを牽引しています。放置竹林を価値に変える知恵や国宝「通潤橋」を象徴する、先人たちが人力で引き入れた「水」の物語。これらの資源を「アグロエコツーリズム」という旅に昇華させるためのストーリーづくりや、初期ターゲットとしての教育旅行や研修旅行の可能性、周辺地域の既存観光客への訴求方法を探っています。観光地域づくりは始まったばかりのため、まずは地域事業者と共に観光コンテンツの創出を行い、旅行プランを販売できる体制づくりに取り組んでいます。
山都町マップ
わたしたちの活動紹介・リンク集
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