再資源化事業等高度化法 広報サイト
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法律の概要・基本方針

再資源化事業等高度化法は、再資源化事業の効率化と温室効果ガス排出量の削減効果の高い資源循環の促進を図るために令和6年5月に制定されました。
具体的には、事業者、廃棄物処分業者、国民・消費者に求めることや廃棄物処分業者に求める判断の基準の設定、特定産業廃棄物処分業者の再資源化に係る報告・公表制度、高度な再資源化を行う事業に対して廃棄物処理法の特例を設ける制度が創設されました。

法律の背景 ~循環経済への移行~

安定的な資源確保、環境負荷の低減、経済の持続性を確保するため循環経済への移行が世界的な潮流となっています。

循環経済とは、

  1. 大量生産・大量消費・大量廃棄型の持続困難な経済システム(一方通行の線形経済)から脱却し
  2. 資源や製品を経済活動の様々な段階で循環させ、資源の採取、エネルギーの消費や廃棄物発生をミニマム化し、資源効率性を上げることで付加価値を生み出し
  3. 環境制約・資源制約による成長の限界を乗り越え、新たな成長の扉を開く持続可能な経済システム

のことです。
3R+Renewable(再生不可能な資源から再生可能な資源に替えること)の取組をさらに推進し、循環経済への移行を目指します。

循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行イメージ。

循環経済に投入された天然資源が、省資源化(リデュース、循環性の向上を目指してモノを効率的に生産する)、長寿命化(リユース、高い利便性を維持しつつモノを長く使う)、回収・リサイクルの促進(リサイクル、廃棄したモノを徹底的に再資源化する)、この3つの循環サイクルを回すことで循環経済への移行を進めます。

循環経済への移行により実現する目指す姿

区分 向き合うべき課題 考慮すべき事案 目指す姿(未来)
資源
制約
マテリアルの需給逼迫・枯渇懸念
  • 新興国の経済成長
  • 資源の枯渇懸念
経済安全保障への貢献
短期的な供給ショック懸念
  • 際立って低い日本の自給率
  • 供給源が特定国に集中
  • 輸出制限のリスク
環境
制約
GHGの大量排出
  • 排出量の約36%は資源循環が排出削減に貢献できる余地
カーボンニュートラルの達成
生物多様性の保全
環境汚染、地球温暖化、自然環境(生物多様性)への影響
  • 資源採取や大量廃棄に伴う環境負荷の増大
成長
機会
廃棄物分野のカーボンニュートラル
  • 適正処理を前提に資源循環の加速化
  • 処理施設等の更新・効率化
産業競争力の強化
循環経済市場を
2030年までに80兆円以上
再生材の需要増
  • サプライチェーン上のリスク管理
  • 用途拡大・価値向上
地方
創生
人口減少・過疎化
  • 労働力不足
  • 東京圏への一極集中
雇用創出
地域経済活性化
産業の空洞化
  • 各地域に先進的な取組を行う静脈企業が存在

法律の背景 ~資源制約:資源循環への対応~

製造業は依然として日本経済を支える基幹産業である一方、必要な量の天然資源を安価かつ安定的に輸入するのは困難になりつつあります。また、資源枯渇や資源ナショナリズムの進行により、レアメタル等の重要鉱物をめぐる調達リスク(価格変動・輸出規制・供給遅延)が顕在化しています。さらに、経済安全保障の観点からは、単なる資源確保にとどまらず、重要鉱物のリサイクルと再資源化を含めた総合的な対応が不可欠となっています。

世界の資源需要見通し

  • 鉱物資源の多くは、現有埋蔵量に対して2050年までの累積需要が大幅に上回る見通しです。
  • プラスチックは、2050年に世界で使用量が2倍以上、2060年には3倍に増加するとの見方があります。
  • 今後、多くの資源で需要がひっ迫していく可能性があり、資源の有効利用を進めていくことが必要です。
2025年までの現有埋蔵量に対する累計需要グラフ。

22種類の鉱物資源のうち13種類の資源が、類型需要が埋蔵量ベースを超えることが見込まれる。埋蔵量のベースは現時点では経済的に採掘が困難なものを含めて、現時点で確認されている鉱物資源量。出典は国立研究開発法人物質・材料研究機構

世界的なプラスチック需要量の推移の2060年までの予想グラフ。

2019年比較では2060年は3倍になる予想。主な国、地域では、アフリカ諸国が6.5倍、インドが5.5倍、中東、北アフリカ諸国が3.5倍、中国が2.2倍、アメリカが2倍など。出典はOECD Global Plastics Outlook 2002

資源価格の上昇

  • 世界の資源価格のトレンドは長期的に上昇傾向にあり、日本の資源輸入額も大幅に拡大しています。
  • 資源価格が上昇する中でプライマリー材の輸入に頼り続ければ、日本の財産が減少していきます。
貴金属、化石燃料、ベースメタルの資源価格推移グラフ。

2000年1月を100とした指数で、2000年代は2008年をピークにそれぞれ、3倍から5倍程度に上昇、その後一時的に下降しますが2010年から2013年まで上昇に反転。貴金属は2013年以降、ベースメタル、化石燃料再び2014年からまた局面。2016年以降はまた反転し価格上昇傾向になりました。化石燃料は2020年に一時的な下落も見られたが2022年には貴金属、化石燃料は2000年比較で2022年は5.5倍に、ベースメタルなどは3.5倍になりました。

日本の資源輸入額推移グラフ。石油、石炭、LNG等は2001年比較で2023年は3.5倍、ナフサ、鉱石金属製品などは3.3倍になりました。

法律の背景 ~環境制約:脱炭素化への対応~

日本の温室効果ガス排出量の約36%は資源循環が排出削減に貢献できる余地がある部門から排出されています。再生材の利用により、部門によっては大幅にCO2の削減が可能です。特に金属における削減ポテンシャルが高くなる可能性があります。

日本の温室効果ガス全排出量のうち、資源循環による削減貢献の余地がある部門の排出量は約36%。

代替フロンガス、一酸化炭素、メタン、エネルギー起源、非エネルギー起源のニ酸化炭素などで約36%は温室効果ガス排出削減に貢献できます。2019年度に貢献できる余地がある割合は温室効果ガス種類別にはエネルギー起源のニ酸化炭素の35%、非エネルギー起源のニ酸化炭素の96%、メタン・一酸化二窒素・代替フロン等4ガスの16%を占めた。部門別割合では鉄鋼業のエネルギー起源のニ酸化炭素が11%で最も大きく、貢献の余地が乏しい部門の割合としては事業用発電部門が33%で最も大きいものとなります。

出典:中央環境審議会循環型社会部会(2022)
     「第四次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第2回点検結果及び循環経済工程表 参考資料集」

バージン材を製造する場合と再生材利用した製造時との温室効果ガス排出量削減貢献の比較グラフ。

再生材の利用により、資源によっては大幅にCO2の削減が可能です。特に、鉄材のリサイクルは79%削減、アルミ缶は97%削減、スチール缶は96%、亜鉛は69%削減と、金属における削減ポテンシャルが高く。特にアルミ缶は絶対量の大きな削減が見込まれます。

出典:中央環境審議会循環型社会部会(2022)
     「第四次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第2回点検結果及び循環経済工程表 参考資料集」

法律の背景 ~成長機会:産業競争力の強化への対応~

EUにおける規制強化の動きや、グローバルブランドの調達要件強化の流れの中で、資源循環による重要鉱物確保と再生材の活用は産業競争力の強化に直結しています。
逆に、循環経済への対応が遅れれば、成長機会の損失、サプライチェーンから弾かれるリスクも存在します。
一部の国では、様々な製品について、再生材の利用に係る定量目標等が決定される動きがあります。
グローバルなサプライチェーンを有する日本企業にとって、良質な再生材の十分な確保が不可欠となる見込みです。

法律の目的 

法律の背景を踏まえ、法律の目的は次のように定められています。

この法律は、効率的な再資源化の実施、再資源化の生産性の向上等による温室効果ガスの排出の量の削減の効果が高い資源循環の促進を図るため、再資源化のための廃棄物の収集、運搬又は処分の事業の過程の高度化を促進するための措置等を講ずることにより、環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とすること。

従来は適正な廃棄物処理に重きを置いていましたが、法律施行後は再生材の質と量の確保に注力します。結果、温室効果ガスの排出と、焼却最終処分量、プライマリー材の必要量を減らすことを目指します。

法律の概要

基本方針の策定

再資源化事業等の高度化を促進するため、国として基本的な方向性を示し、一体的に取組を進めていく必要があることから、環境大臣は、基本方針を策定し公表しています。

再資源化の促進

再資源化事業等の高度化の促進に関する廃棄物処分業者の指針となる判断基準を策定しています。
特に処分量の多い産業廃棄物処分業者の再資源化の実施状況の報告・公表制度が創設されました。

再資源化事業等の高度化の促進

再資源化事業等の高度化に係る国が一括して認定を行う制度(認定制度)を創設し、生活環境の保全に支障がないよう措置を講じさせた上で、廃棄物処理法の廃棄物処分業の許可等の各種許可の手続の特例を設けました。

認定の類型(イメージ)

類型1
事業形態の高度化
  • 製造側が必要とする質・量の再生材を確保するため、広域的な分別収集・再資源化の事業を促進
水平リサイクルイメージ。飲料用ペットボトルから同じペットボトルにリサイクルされている。

例:ペットボトルの水平リサイクル
画像出典:PETボトルリサイクル年次報告書2023 (PETボトルリサイクル推進協議会)

類型2
分離・回収技術の高度化
  • 分離・回収技術の高度化に係る施設設置を促進
太陽光パネルからから再生材を回収する写真イメージ

例:ガラスと金属の完全リサイクル
画像出典:太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン

類型3
再資源化工程の高度化
  • 温室効果ガス削減効果を高めるための高効率な設備導入等を促進
最新鋭の工場の生産ラインの機械写真例。

例:AIを活用した高効率資源循環
画像出典:産業廃棄物処理におけるAI・IoT等の導入事例集

基本方針

資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための地球温暖化対策計画及び循環型社会形成推進基本計画と整合性のとれた基本的な方針が策定されています。

基本方針の概要

資源循環を進めるための基本的方向

適正処理による生活環境と公衆衛生の確保を前提に、国民や消費者の協力を得ながら、産官学が連携して資源循環を質・量の両面で高度化することが重要です。
この取組によって、脱炭素化、自然環境の再生、産業競争力の強化、経済安全保障、地方創生といった社会課題の解決につなげます。
さらに、国・自治体・廃棄物処分業者・事業者が積極的に取組、循環された資源を国内で活用することで、国内での資源確保を進めます。これにより、天然資源の消費を抑え、環境への負荷を最小限にした循環型社会の実現を目指します。

再資源化事業等の高度化のための措置に関する基本事項

再資源化事業を効率的に進めるための措置
  • 製造業者と廃棄物処分業者が協力し、製品のライフサイクル全体で無駄のない資源循環を進めます。
  • 先進的な取組で培った高度な技術をさらに効果的に活用し、市場に新しい価値を生み出すことが重要です。
  • 製造側(動脈産業)とリサイクル側(静脈産業)が、再生部品や再生資源の利用目標を共有し、追跡可能性(トレーサビリティ)を確保するために必要なデータ連携を行います。
再資源化の生産性を高めるための措置
  • 焼却や埋立処分を減らし、再生部品や再生資源を天然資源の代わりに使うことで、投入や輸送に伴う温室効果ガスの排出を抑えることが重要です。そのため、従来再資源化が難しかった廃棄物も再利用できるようにする必要があります。
  • 需要が高まる金属や化石資源などを、資源循環によって最大限有効に利用することも重要です。
再資源化の工程で排出される温室効果ガスを減らすための措置
  • 国際的に、製品のライフサイクル全体で温室効果ガス排出量を評価する動きがあります。再資源化を進めるだけでなく、その工程自体も脱炭素化していくことが重要です。

処分を行う廃棄物の数量に占める再資源化を実施すべき量の割合に関する目標等

項目目標(2030年度)
1.循環利用率入口側:約19%  出口側:約44%
2.資源生産性約60万円/トン
3.天然資源消費量約11トン/人・年
4.最終処分量全廃棄物:約1,100万トン
一般廃棄物:約300万トン(2022年度比約5%削減)
産業廃棄物:約780万トン(2022年度比約10%削減)
5.温室効果ガス排出量廃棄物部門由来:約2,900万トン-CO2/年
循環経済への移行に関わる部門由来:約34,300万トン-CO2/年
入口側の循環利用率の推移グラフ。2030年度は目標値19%に設定。
最終処分量の推移グラフ。2030年度には年間1100万トンまで削減を目標化。
資源生産性の推移グラフ。2030年には1トンあたり目標値60万円を目標に設定。
廃棄物部門の温室効果ガス排出量推移。2022 年度は約36万キロトンで推移。
素材別の目標等目標(2030年度)
レアメタル、ベースメタル等金属リサイクル原料:処理量を倍増
廃家電:4品目(廃エアコン、廃テレビ、廃冷蔵庫・冷凍庫、廃洗濯機・衣類乾燥機)合計の回収率70.9%以上
電子スクラップ(e-scrap):リサイクル処理量約50万トン (2020年比5割増)
プラスチックワンウェイのプラスチック(容器包装等)を累積で25%排出抑制
プラスチックの再生利用(再生素材の利用)の倍増
バイオマスバイオマスの年間産出量の約80%を利用
土石、建設材料建設廃棄物:建設混合廃棄物を含め建設廃棄物の再資源化を促進するとともに、適切に再資源化等がされるよう再生部品又は再生資源の新規用途の開拓や拡充等を促進する。
製造プロセス等における副産物:可能な限り有効利用を図る。