2030生物多様性枠組実現日本会議 第一回総会【開催報告】
開催日時 | 2023年2月28日(火)17:45~19:00 |
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会場 | 経団連会館 国際会議場 ※オンライン併用 |
参加者 | 委員・関係者70名、傍聴者70名 |
COP15において採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」や今年度中の策定を目指す次期生物多様性国家戦略等について情報共有を行いました。また、2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)による「ネイチャーポジティブ宣言」を発表するとともに、J-GBFの運営体制及び事業実施内容について意見交換を行いました。
総会の開催概要
(1)西村環境大臣挨拶
- J-GBFは経済界、NGO、自治体、ユース、関係省庁など各界で人々の行動変容を促す立場の方々が参加しており、経済社会全体の変革を進めていく、大きな力を持ったプラットフォーム。
- 今年は、生物多様性の保全にとって非常に重要かつ大きな転換の年。
- 昨年末に採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」を踏まえ、我が国の新たな生物多様性国家戦略を策定する。
- 新たな国家戦略に基づき、ネイチャーポジティブを実現し、生物多様性と気候変動の2つの危機への統合的対応を進める。
- 新枠組では、30by30目標も正式に位置づけられ、この達成に向け、保護地域の拡充のみでなく、民間の取組によって生物多様性の保全が図られている地域の協力も必要。
- 環境省は、里地里山や企業緑地等の区域を「自然共生サイト」として認定する事業を今春に開始し、来年度中に100箇所以上の認定を目指す。
- ネイチャーポジティブの実現に向け、各委員の一層のお力添えをお願い申し上げる。
(2)十倉J-GBF会長挨拶
- COP10を機に設立された国連生物多様性の10年委員会(UNDB-J)の成果を継承し更に活動を発展させるべく、後継組織として2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)が発足した。
- COP15において新たな目標が設定され、我々J-GBFとしても、達成すべきゴールが定まった。
- 新たな国際目標においては、「2030年までに生物多様性の損失を食い止め、反転させ、回復軌道に乗せる」、いわゆる「ネイチャーポジティブ」の方向性が明確に示されている。
- ネイチャーポジティブ実現には社会経済全体の変革を目指していく必要があるため、本日、J-GBFのコミットメントとして、「ネイチャーポジティブ宣言」を発表する。
- この宣言は、ネイチャーポジティブを実現するような社会経済活動の拡大を目指すものである。
- J-GBFに参加の団体は、この宣言に基づき、「J-GBFネイチャーポジティブ行動計画」を策定いただくようお願い申し上げる。
- 経団連/経団連自然保護協議会としてもネイチャーポジティブの実現を念頭に、具体的なアクションプランを現在検討しており、これを行動計画として登録し、新たな国際目標の達成に積極的に貢献していく所存。
- J-GBFの運営にあたり武内会長代理をはじめ、各委員の協力が不可欠。引き続きのご協力をお願い申し上げる。
(3)最近の生物多様性の動向
事務局及び関係省庁から、昨今の生物多様性に関する国際・国内動向として以下について報告。
【環境省】
- 生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)の結果概要
- 次期生物多様性国家戦略について
- 30by30目標及び自然共生サイトについて
【農林水産省】
- みどりの食料システム戦略について
- 農林水産省生物多様性戦略(改定案)の概要について
【国土交通省】
- グリーンインフラの推進について
(4)J-GBFの運営体制及び事業実施内容について
事務局から以下の内容について報告。
- ビジネスフォーラム、地域連携フォーラム、行動変容ワーキンググループの開催結果報告
- 企画委員会の設置、J-GBF運営体制および予算、謝金支払について
- ネイチャーポジティブ宣言及びネイチャーポジティブ行動計画について
- COP15におけるJ-GBFの取組報告
【意見交換】
- 有識者委員の涌井委員、佐々木委員、藤田委員より、J-GBFの活動、ネイチャーポジティブ宣言への期待が述べられた。
- 一般社団法人 Change Our Next Decadeの柴崎委員より、COP15でのサイドイベント、海外のユースとの交流などの報告とJ-GBFからの資金面での支援への謝辞が述べられた。
- 武内会長代理からは、気候変動、資源循環、生物多様性の統合的な取組を進めていくことの重要性が指摘された。