【30by30アライアンス】 メールマガジンVol_110

特集 2026年4月春号
自然を守る心が事業を前進させた自然共生の取り組みご紹介(2026/4/1)

30by30アライアンス参加者の皆様

本年度から2週間に一度の通常配信に加えて、特集号(4月/春・7月/夏・10月/秋・1月/新春)をスタートします!
特集号では、メンバーのみなさまの自然共生サイトやネイチャーポジティブに向けた活動、連携事例等のご紹介を通して、みなさまの活動に役立つ情報をお届けします。

今回は、「自然共生サイトの認定が事業の進展につながった事例」として、「阿蘇さとう農園」の取り組みをご紹介します。

阿蘇の風と、羊の歩み。阿蘇さとう農園が紡ぐ「守る」の新しいかたち

阿蘇山の南麓。古くから人々の営みによって守り受け継がれてきた広大な草原は、希少なチョウ類・植物など多様な生き物の暮らすとても貴重な環境です。でも、その風景は担い手不足という現実の中で、消えかかっていました。「この草原を、どうにかして次代へ繋げたい」そんな想いから、阿蘇さとう農園は2021年に「羊の放牧」を始めました。羊が草を食み、人々は野焼きを行う。それらの活動は、多様な生き物たちが息づく豊かな草原を取り戻す力となり、2025年9月に自然共生サイトに認定されました。

(3枚の写真)植物、虫、動物に餌をあげる人

「畜産×環境」で、景色も経営も変えていく

Q. 自然共生サイトの認定は、どのようなメリットにつながったのでしょうか?

A.「放牧で理想の畜産を」――。その情熱とは裏腹に、現実は厳しく、どれだけ汗を流してもビジネスとして成立しにくい「割に合わない」ジレンマが常にありました。そんな経営難の暗雲に、一筋の光を差し込んだのが自然共生サイトの認定です。これまで畜産業界には、品質を競う賞はあっても、阿蘇さとう農園がこだわっている「阿蘇の環境への貢献」を測る物差しはありませんでした。ところが、認定によって「単なる畜産」から、生物多様性を守る『畜産×環境』という新しいステージへと進化したのです。

「ワンステージ、上がった感じがします!」目に見えない価値が、認定という形で社会に認められて“見える化”されたことは、単なる自信だけでなく、経営を立て直すための大きな武器になっています。阿蘇の風土と共に生きる誇りが、いま、景色を守りながら利益も生み出す未来への確かな希望へと変わり始めています。

(3枚の写真)野焼きの様子、列で歩く羊、刈った後の羊の毛

命と環境、どちらも諦めない仕組み

Q.「阿蘇らしい風景を守り、受け継ぐきっかけとなるような事業にしたい」という想いは、具体的にどのような形でプロダクトに反映されているのでしょうか?

A. 阿蘇の草原を守る野焼きは、担い手不足により年々危険が増し、「命か、環境か」という究極の選択を迫られてきました。そこで救世主となるのが「羊」だと考えています。羊が草を食むことで草が短くなり、野焼きの安全性を高めることができます。その営みの中で育った羊は、単なる食材ではなく、阿蘇の風景や伝統のストーリーを伝えるプロダクトとしてお届けすることができます。自然も、人の営みも、どちらも犠牲にしない。そんな思いが、プロダクト一つひとつに込められています。

経営難の暗雲の中、阿蘇の歴史を紐解き、たどり着いたのは、風景や伝統を守りながら利益を生むことのできる「小さな畜産モデル」でした。小さな畜産が利益を生み、伝統的な風景が守られ、草原に生命が息づく。自然共生サイトの認定は、阿蘇さとう農園の「小さな畜産モデル」を一歩先に進める力となっています。

阿蘇さとう農園からのメッセージ

羊から採れるウールは、実は「難燃素材」なのを知っていますか?私たちは、この羊の恵みが、いつか野焼きの現場で働く人々の命を守るマントとして活用される、そんな未来を実現したいと思っています。阿蘇さとう農園は、阿蘇の風景や伝統を守りながら、利益を生み出すことのできる事業の創出に取り組んでいます、ぜひウェブサイトをご覧ください!

サイト概要

サイト名:阿蘇さとう農園放牧地①

申請者:阿蘇さとう農園/特定非営利活動法人ASOIRO Company

所在地:熊本県阿蘇市(8.2ha)

URL:自然共生サイトの概要はこちら、阿蘇さとう農園公式ウェブサイトはこちら

募集開始:大学キャンパスや演習林などにおける自然共生サイト/ネイチャーポジティブに向けた活動事例について

30by30アライアンスメルマガ 特集号(7月夏号)のテーマは、「大学キャンパスや演習林などにおける自然共生サイト/ネイチャーポジティブに向けた活動」です。大学の研究・教育活動との関わりや、学生による保全活動、大学と企業との連携など、大学ならではのユニークな取り組みを募集します。 大学キャンパス等での活動を検討されている方や、大学との連携・支援をお考えの企業のみなさまにとって、参考になる事例をご紹介できればと考えております。

7月夏号へのご掲載を希望される方は、4月30日(木)までにこちらのフォームからご応募ください。こちら

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また、「こんなテーマを取り上げてほしい」というみなさまからの声も募集しております。

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環境省では、自然共生サイトにおける活動に金銭的・人的・技術的支援を行った企業等に「支援証明書」を発行しております。

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(環境省 自然環境局 自然環境計画課)

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