場の保全・再生とネットワーク化
2030 年までに陸と海の30%以上を効果的に保全する、いわゆる30by30目標を達成するために、 国立公園等の保護地域だけではなくOECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)を含めた場の保全と再生に取り組みます。また、生態系の質の向上とネットワーク化により、森・里・川・海のつながりを確保します。
生態系の利用における負荷軽減
森林、農地、都市、河川や湿地、海などの各生態系で農林水産業やインフラ整備といった利用・管理を 行うにあたり、生物多様性への負荷の軽減と質の向上を図ります。このように自然界の様々なレベルにおいて、それぞれに違いがあること、そしてそれが長い進化の歴史において受け継がれた結果として、現在の生物多様性が存在しています。私たちは、人間を含めた地球上のいのちが互いにつながりあい、支えあっていることをあらためて認識することが重要です。
野生生物の保全
普通種も含めた全ての生きものを保全するとともに、鳥獣被害対策、二次的自然に生息する種も含めた希少種の域内保全、外来種対策などにより、人間と生きものの適切な関係を再構築します。

身近な自然を含む多様な場の保全「30by30 目標」と「自然共生サイト」
私たちが自然の恵みを将来にわたって得るためには、現在は絶滅危惧の状態にない普通種も含めて、生き物の生息・生育地や繁殖地となる場所を保全することが必要です。このような背景から、新しい世界目標の一つとして、30by30目標が設定され、OECM を増やすことが目標達成のカギとされています。
日本では、OECM の設定を推進するために、2023 年度から「自然共生サイト」認定がスタートしました。自然共生サイトは、里地里山や企業林、都市の緑地といった民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域として環境大臣が認定するもので、企業・地方公共団体等による有志連合(生物多様性のための30by30 アライアンス)の協力も得ながら、多様な場所が認定を受けています。また、2024 年4月に成立した「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」により、自然共生サイトのような生物多様性が豊かな場所における活動に加え、管理放棄地等において生態系を回復又は創出するものも含めて民間等による自主的な活動を更に促進していきます。