今こそ、ネイチャーポジティブ
    
    
      
        
生物多様性の危機的状況
         生物多様性は損失し続けています。例えば、地球上の種の絶滅速度は、過去1,000万年平均の少なくとも数十倍、あるいは数百倍の速度で進んでいます(IPBES地球規模評価報告書(2019))。これは恐竜が絶滅したときよりもはるかに速いスピードです。
        
        
          コラム:生物多様性って何?
          「生物多様性とは、全ての生きものが持つ多様な違いやそれらの関わりを指し、大きく①遺伝子の多様性、②種の多様性、③生態系の多様性の三つのレベルで考えることができます。」
        
          
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遺伝子の多様性
              アサリの貝殻の模様が千差万別なことなど、同じ種でも遺伝子の違いによる多様な個性があることです。この違いがあることで、病気や環境の変化に適応しやすくなり、種全体の生き残る力が強くなります。
             
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種の多様性
              大きなクマ、空を飛ぶトンボ、川で泳ぐ魚、ブナなどの樹木など、動植物から細菌などの微生物に至るまで、いろいろな生きものがいることです。地球上には未知のものも含めると3,000万種が存在し、多様な生きものがいることで、生態系がバランスを保ち、安定した環境が維持されます。
             
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生態系の多様性
              森林、湿原、里地里山、河川干潟、サンゴ礁など、いろいろなタイプの自然があることです。異なる生態系があることで、地球全体の環境が健全に保たれ、気候の調整や水の浄化といった自然の機能が維持されます。
             
          
        自然界の様々なレベルにおいて違いがあり、それが長い進化の歴史において受け継がれた結果として、現在の生物多様性が存在しています。
 
         
        
       
     
	 
    
      
ネイチャーポジティブとは
      今注目されているのが「ネイチャーポジティブ」という考え方です。
      
        これは、
        生物多様性の負(損失)の流れを止めて
正(回復)に反転させること
        を指します。
       
		
      
         開発、乱獲・盗掘、里地里山の管理放棄、外来種の侵入、水質の汚染、地球温暖化の進行など、生物多様性の損失には様々な要因が関係しています。こうした直接的な要因が着目されがちですが、その背景には、社会経済の変化が影響しています。例えば、産業構造の変化による農林業の縮小は、里地里山の管理の放棄につながり、グローバル化の進行は、食料や木材等の自給率低下や外来種問題を引き起こしています。
		 ネイチャーポジティブの実現には、この社会経済を生物多様性の保全に貢献するよう変革させていくことが不可欠です。そのため、いわゆる従来の自然保護だけでなく、気候変動対策や資源循環等の様々な分野と連携していくことが必要です。
       
      
     
    
      
生物多様性と私たちの暮らし
       野菜や果物が実るためには、ミツバチやチョウなどの昆虫や鳥が受粉を助けることが欠かせません。実際、世界の主要農作物の4分の3以上は、昆虫や鳥などによって花粉が運ばれることに依存しています(IPBES「花粉媒介者、花粉媒介及び食料生産に関するテーマ別評価報告書」(2016))。もしこれらの生きものがいなくなったら、私たちの食卓にも大きな影響が出てしまうかもしれません。
       私たちの生活は、こうした食料だけでなく、大気・水・気候の安定、安全の保証、文化の源といった生物多様性からの様々な恵み(生態系サービス)によって支えられています。
     
	
	
      
          コラム:生態系サービスとは?
          多様な生物が関わりあう生態系からの恵みのことで大きく以下の「基盤的サービス」「供給サービス」「調整サービス」「文化的サービス」の「4つがあります。
          
          
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基盤サービス
              人間を含めたすべての生命が存立する基盤となる恵みです。
              私たちに不可欠な酸素は、多様な植物の光合成にともなってつくられました。栄養豊かな土壌は、生きものの死骸などが微生物により分解されることでうまれ、雨水は、森林の土壌に浸透する中で栄養分を含み、河川・海へと流れています。水の循環や気温・湿度の調節にも、植物の葉からの蒸発散や森林が水を蓄えるはたらきが深く関わっています。
             
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供給サービス
              私たちの暮らしの基礎となる恵みです。
              食料や木材、衣類に使われる綿、麻などは、農林水産業を通じてもたらされています。農作物の多くは、花を訪れる昆虫や鳥などに受粉を助けられています。生きものの遺伝的な情報や形態・機能は、農作物の品種改良や医薬品の開発、技術革新のヒントになっています。
             
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調整サービス
              将来にわたる暮らしの安全性を保証する恵みです。
              豊かな森林は、山地災害の防止や土壌の流出防止、安全な飲み水の確保に貢献します。サンゴ礁は高波から沿岸を守り、森林や海は、温室効果ガスの吸収によって気候の調整に重要な役割を果たしています。
             
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文化的サービス
              私たちの心を支える豊かな文化の根源を生み出す恵みです。
                私たち日本人は、豊かながら荒々しい自然を前に、花鳥風月を題材とした芸術などの多様な文化を形成し、自然と共生する自然観を持つようになりました。自然と文化が一体となった「風土」は、地域固有の食文化、工芸、芸能などを育んでいます。
             
          
         
        
	 
	 
   生物多様性は社会経済を支える重要な基盤として、空気や水、鉱物などと合わせて「自然資本」と呼ばれており、その劣化は世界のGDPの半分(約44兆米ドル)以上に影響を与えると予測されています(世界経済フォーラム(2020年))。ネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みは社会経済の持続可能性を確保するためにも不可欠なものなのです。
 
     
    
      
        
まとめ
         ネイチャーポジティブとは、生物多様性の損失を止めて回復させることであり、私たちの暮らしや社会経済を持続可能としていくためにも重要な考え方です。
         「私たちにできることはあるの?」と疑問に思うかもしれません。生物多様性は私たちの暮らしや社会経済と密接につながっているからこそ、様々な主体がそれぞれの形で貢献できます。また、こうしてネイチャーポジティブの必要性を認識することが第一歩です。
 
        私たちの手で、ネイチャーポジティブに向けて共に歩みを進めていきましょう!
        
  
     
       
    
    
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                ネイチャーポジティブイメージキャラクター「だいだらポジー」についてのページです。
              
              
            
          
              
              
                30by30目標達成に向け、OECMとして認定する取り組みを進めるため、有志の企業・自治体・団体の方々によるアライアンスを発足しました。
              
              
                
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                ネイチャーポジティブ経済の実現にむけて、ビジネスマッチング、プロジェクトマッチングを推進します。
              
              
                
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