この事例のポイント
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ゴルフ場跡地で稼働する太陽光発電所を学びの場として活用
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再エネと環境、エネルギーについて学ぶ出張授業
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「中標津発電教室」は、暮らしの中で自ら気づき、考える貴重な機会に
町のソーラー施設を、日常の学びの場に
根室地方に位置する人口約2.3万人の北海道中標津町(なかしべつちょう)は、豊かな自然に恵まれた、「酪農と商業が共存する町」です。40年以上前からこの地で親しまれてきたゴルフ場“知床ゴルフクラブなかしべつコース”は経営難となった後、2016年12月に閉鎖されたままの状態でした。
対応を模索していたゴルフ場側に、事業者から太陽光発電施設としての再活用の可能性が提案されます。背景には道東地域は日射量が多く、気温が低いことから発電効率が良いとされていたことがありました。ゴルフ場を有効活用することで新たに森林を切り拓く必要がないことと、「大規模な電気の安定供給」「災害等の非常時における蓄電施設によるバックアップ」に地元の期待が集まる流れのもと、プロジェクトがスタートします。こうして道東地区最大規模の蓄電池を併設し、最大出力約31,600kW、一般家庭約6,100世帯分の発電を担う「Looop中標津太陽光発電所」が、2019年に稼働を始めました。
その後、発電施設の近くに住む子どもたちに、再生可能エネルギーやSDGsについて楽しみながら学べる機会を提供したい、との思いで従来から各地で「発電教室」を実施してきた事業者と、学校の方針として環境教育(ESD=Education for Sustainable Development)に力を入れてきた中標津町立丸山小学校が出会い、中標津発電教室が始まります。
「本校では小学校6年間を通して、農園活動や河川学習などで、地域の自然から学ぶ時間を設けてきました。これらを決して特別な取り組みではなく、日常の学びとすることで、社会の課題についても自分ごととしてとらえてもらうことを大切にしています。」(丸山小学校 今野先生)
発電施設に歓声、ゲーム感覚で学ぶ環境とエネルギー
2025年で5回目を迎えた「中標津発電教室」。体育館に集まった6年生たちを前に、授業を担当するメンバーが自己紹介し、授業がスタートします。
座学では、再エネのメリットと課題、太陽光発電の仕組みや直流と交流の違い、電気が家庭に届くまでの流れなど、電気そのものや発電施設の仕組みについてやさしく解説しています。
「前半は体育館で、後半は実際に発電所に行ってウォークラリーをする流れです。本企画は毎年弊社の新入社員がリーダーとなって運営しており、体育館でのコンテンツは、班ごとに別れてクイズを解き、宝箱の鍵を開けていくなど、若い視点を取り入れたゲーム性の高いものになりました。」(Looop 水嶋氏)
座学の後は、いよいよ発電所を訪問。生徒たちは、そのスケールの大きさに圧倒されたそうです。
「自分たちの住む場所にこんなソーラー発電所があるということを、この授業のおかげで知ることができました。空いている土地を無駄にするのではなく、環境と地域のために活用していることを知って、子供たちも中標津町のことを誇りに感じているようです。」(丸山小学校 今野先生)
子供たちからは「クイズが楽しかった。もっと電気のことを知りたくなった」「電気が届くまでに多くの人の努力があることを知り、ますます大切に使いたい」といった感想が聞こえ、身近にある再エネ施設をきっかけに環境やエネルギーの大切さに気づくきっかけとなっています。
暮らしの中で感じる気候変動について、深く考える
「子どもたちも実感している身近な変化として、農園活動で育つ作物の種類が変わったというのがあります。以前は育たない野菜が育つ気候になった。教室には昨年、エアコンがつきました。10年ぐらい前まで、この辺りは夏暑くても窓を開けて過ごすことが多かったのですが、今では猛暑で授業が成立しない状況です。」(丸山小学校 谷村校長)
このような毎日の暮らしの中で何気なく感じていた気候変動について、中標津発電教室は深く知る機会をくれた、と先生方は語ります。
子供達にとっても、楽しみながらエネルギーについて考えることのできる大切な学びの場となっています。
