大分県 杵築市、日出町

風力発電が結んだ、地域の絆。
次世代のための社会のインフラへ

  • #地域への貢献
  • #事業プロセス

この事例のポイント

  • 1 11年の対話を経て、2025年4月に施設が運転を開始
  • 2 地元の2つの自治体と包括連携協定を締結
  • 3 伝統や文化の保存と教育など、複数のテーマへの貢献を具体化

2つの自治体との対話が実り、結ばれた包括連携協定

2025年4月に運転を開始した「JRE大分別府湾風力発電所」は、大分県杵築市(きつきし)山香町に発電所が、また隣の日出町(ひじまち)に変電設備がある、2つの自治体にまたがる再エネ施設です。

このプロジェクト開発を経て、ENEOSリニューアブル・エナジー(※以下、ERE)は同年7月8日に杵築市および日出町と包括連携協定を締結しました。

「杵築市および日出町とそれぞれ同時期に包括連携協定を締結した意図は、自治体とのさらなる連携強化です。」(ERE担当者)

ここへと至るまでには、およそ11年間におよぶ丁寧なやりとりがあったといいます。地域住民の一人は当時をこう振り返ります。

「どのような町でもそうだと思いますが不安は当然ありました。印象的だったのは、そのような中でも事業者の皆さんが熱心に現地に通って、終始一貫して我々の声に耳を傾けてくれたこと。その熱意があって、建設地に近い地区の区長も安心して前に進むことができました。地区のことやそこに住む住民のことを一番に考えてくれたんです。」

(左から)杵築市 興田副市長、永松市長、竹内ERE社長(当時)、田井EREマネジメント社長

地域の発展こそが一番。その想いが教育への貢献に

施設の建設中には、工事スケジュールと作業内容をきめ細やかに共有するための現地見学会を実施。この見学会でも築かれていった信頼関係はその後も続き、今では学校からも人気の社会科見学プログラムとなっています。

「風力発電、と聞いただけでは不安だった方々にも、建設中の現場を見ていただいたところ、不安がなくなったばかりか、地元の学校や幼稚園からも見学できないかという声があがりました。EREの星野所長による現地見学会は好評で、地元の小学校では社会科見学と再生エネルギーの授業ができました。風力施設を活かした観光名所ができたね、という声も聞こえています。」(地域住民)

発電事業を通じて、地域の発展を一番に考える具体として、例えば高齢化により担い手がいなくなっていた地域の伝統行事を一緒になって盛り上げるなど、地域の伝統芸能や文化の保存にも積極的な支援がなされています。そのほか新入学児童へのランドセル補助、地元の特色を盛り込んだオリジナルの環境教育ノートの配布など、地域をあげて子供を育むことにも力を入れています。

このような信頼関係は、変電施設のある日出町側でも同じように育まれていったといいます。

「開業初年度には、学習コンテンツ付ノートに日出町の紹介記事を掲載し、全国にまちの紹介をして頂きました。また変電所が建っている地域には、防災用品等の購入支援をして頂いたり、まちの伝統文化の継承にも支援を頂いています。他にも、新高校1年生を対象とした奨学金や新小学1年生を対象したランドセルの購入補助など、地域の活性化や防災・減災、そして、子育て世帯への応援に取組んで頂いていることは、大変ありがたいことだと考えています。」(日出町役場)

(左から)日出町 大路副町長、安部町長、竹内ERE社長(当時)、田井EREマネジメント社長

脱炭素の先にあるのは、地域の未来

豊かな山と綺麗な海に恵まれた穏やかなこの地で、熱意と信頼関係に支えられた風力発電施設が今日も稼働しています。

脱炭素という手段の先に、地域の文化支援や次世代の育成、奨学金制度や様々な補助を含む教育環境の発展に関わる施策が生まれたことで、地元の人々にとっても、複数の世代にわたって地域の未来を考えることのできる社会の仕組みが、再エネをきっかけに生まれつつあると言えます。

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