総論・再エネ全般
なぜ再生可能エネルギー(再エネ)が必要なのですか。
なぜ再生可能エネルギー(再エネ)が必要なのですか。
地球温暖化を食い止め、またエネルギーの海外依存を減らすためです。
気温の上昇に伴い、日本を含む世界各地で、大雨や干ばつ、熱波などの異常気象が頻発しています。その主な要因は人間の活動による温室効果ガスの排出であることが、もはや疑いのないものとされています。再エネは、発電時に温室効果ガスを排出しないエネルギーであることから、地域との共生を前提に、導入を進めていくことが必要です。
また、再エネは、すぐに使える資源に乏しく、諸外国と比較してエネルギー自給率が低い我が国にとって、エネルギー価格の上昇や円安の進行による国富の流出を防ぎ、エネルギー安全保障を高める上でも重要です。
メガソーラーに関するトラブルを耳にします。再エネが必要だからといって、国は地域とトラブルが起きているような再エネも推進するのですか。
昨今、太陽光発電の導入が急速に拡大した一方で、自然環境、安全、景観などの面から、地域において様々な懸念が生じる事例も見られています。
政府としては、再エネの推進に当たっては、地域との共生が大前提であると考えています。地域との共生が図られた望ましい事業は推進する一方、不適切な事業には厳格に対応していく方針です。
国が出したメガソーラーに対する対策パッケージについて、概要と進捗状況を教えてください。
令和7年12月23日、「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」が関係閣僚会議において取りまとめられ、不適切事案に対する法的規制の強化、地域の取組との連携強化、地域共生型への支援の重点化の3つの柱の下、必要な施策を実行していくことが確認されました。
当該パッケージの実行状況は以下のホームページにまとめられています。引き続き、関係省庁と連携し、パッケージに基づく施策を速やかに実行してまいります。
国が推進する「地域と共生」した再エネとは、具体的にどのような事業なのでしょうか。
自然環境、安全、景観等の社会全体の利益との調整については、森林法や盛土規制法などの関係法令において規制がなされています。再エネの導入に当たり、まずは、こうした関係法令を遵守することが必要不可欠です。その上で、再エネ発電事業者が周辺地域の住民への適切な情報提供を行い、再エネ発電事業の実施により生じ得る周辺地域への影響に関する地域の懸念に対応することで、再エネ発電事業に対する地元の理解を促進し、その信頼を醸成するよう努めることがあわせて重要です。
一律にメガソーラーの設置を禁止することはできないのでしょうか。
Q1でお答えしたとおり、再エネについては地域との共生が前提であり、不適切な事業に対しては厳格に対応することが必要です。一方で、地域との共生が図られた望ましい事業は促進することが重要であることから、環境省としても、このウェブサイトで紹介しているような、地域と共生した事業については、その導入を支援していく方針です。
また、土地の所有者は、原則として自らの土地を自由に使用・処分する権利(所有権)を有しています。このため、一律にメガソーラーの設置を禁止することは適切ではないと考えます。
ただし、メガソーラーに限らず様々な開発行為や営業活動は、自然環境、安全、景観等の社会全体の利益との関係から、関係法令に基づき調整がなされています。例えば、自然環境の保全上重要な地域については、自然公園法等に基づき、国立公園等の保護地域に指定した上で、環境大臣等の許可を受けなければ開発行為をしてはならないとするなど、法に基づき必要な規制が行われています。
政府としては、昨年秋以降、メガソーラーに関するこれらの関係法令の総点検を行い、その結果を踏まえ、昨年12月に「メガソーラー対策パッケージ」を策定しました。環境省としては、関係省庁と連携し、メガソーラー対策パッケージに基づく施策を実行していくことで、再エネの地域共生を確保していく方針です。
太陽光発電や風力発電は本当に地球温暖化対策として有効なのですか?太陽光パネルや風車の製造、輸送、廃棄段階で排出されるCO2(ライフサイクルCO2)を含めれば、むしろ温暖化を進めているのではないですか。
太陽光発電や風力発電は、地球温暖化対策として有効です。太陽光パネルや風車の製造から廃棄までの全段階で排出されるCO2量を考慮しても、再エネが排出するCO2は、化石燃料で発電する場合に比べて大幅に少ないことが確認されています。
地域へのメリット等
地域に再エネ発電所が設置されることによって、地域にとってどのようなメリットがありますか。
地域に再エネ発電所が設置されることで、地域の経済を強くし、様々な地域課題の解決につながる可能性があります。
地域の経済を強くするためのポイントは「地域の中でお金を循環させること」と「地域でお金を稼ぐ力を強くすること」の2つです。

地域に再エネ発電所を作って、そこで発電した電気をその地域で使う「電気の地産地消」に取り組むことは、エネルギー代金(電気代)を地域内で循環させることにつながります。また、いくつかの事例にも見られるように、再エネ発電所の建設や運用の過程で、例えば地域の農業課題の解決に取り組むことで、生産された農産物を地域外へ販売し、その売上を新たな収入として地域が獲得することも可能です。
このように、再生可能エネルギーを地域のために創出・消費することが、地域の経済を強くし、地域産業の振興、ひいては地域住民の所得の向上にもつながります。
事業の利益が地域に還元される取組については、Q9もご覧ください。
発電による収益を、地域の活性化や住民サービス向上等につなげている事例はあるのでしょうか。またどのような手法でそれを実現しているのでしょうか。
利益を地域に還元する事例は全国で生まれています。例えば、住民が発電事業に出資して配当を得る市民ファンドや、農業と発電を両立し農家の収入向上に繋げる営農型太陽光発電などがあげられます。また、事業者と自治体が協定を結び、売電収益の一部を子育て支援や奨学金返済等の財源とする仕組みも、利益を地域に還元する有効な手法です。事業の利益が地域に還元する様々な事例や地域主導の再エネの事例などは、このGood Echoのほか、以下のウェブサイトでも紹介しております。
地域とのコミュニケーションが重要とのことですが、再エネ発電事業が実施される過程で、どのようなプロセスによって地域とのコミュニケーションが図られるのでしょうか。
再エネ発電事業は、立地や規模によっては自然環境や生活環境に影響を与える可能性があります。そのため、事業者が一定規模以上の事業を実施しようとする場合、環境影響評価法や環境影響評価条例に基づく環境影響評価(環境アセスメント)を実施する必要があります。環境アセスメント手続を通じて、事業者と地域とのコミュニケーションが促進されることとなります。
例えば、環境影響評価法に基づく配慮書手続として、事業者は、事業の位置・規模等の検討段階において、環境保全のために必要となる配慮事項を検討し、地域住民を含む一般の方々、専門家、自治体などの意見を求めるように努めることとされています。
また、配慮書以降の手続においても、事業者は、一般の方々等から意見を聴き、それらも踏まえながら、環境の保全の観点からより良い事業計画を作り上げていくこととなります。
さらに、法律に基づく環境アセスメントの対象であるか否かに関わらず、環境省では、地球温暖化対策推進法に基づく再エネ促進区域について、自治体が地域の協議会等で合意形成を図りながら設定することを支援しています。
加えて、FIT/FIP制度においては、説明会等の実施を支援の要件とし、関係法令の順守状況や、事業の実施に伴う環境影響、またその予防措置等について、周辺地域の住民に説明を行うことを厳格に求めています。
再エネに対する懸念
太陽光発電事業が生態系に与える影響を懸念しています。事業開発にあたっては、どのような配慮がなされているのでしょうか。
太陽光発電は、設置場所などによっては生態系に影響を与える可能性があります。このため、国は、自然環境への影響をできるだけ避けるための様々な仕組みを設けています。
まず、国立公園や国定公園など自然環境として特に重要な地域については、そもそも開発行為が厳しく制限されています。また、絶滅のおそれのある野生動物や植物が生息・生育している地域についても、開発行為が制限される場合があります(種の保存法)。加えて、天然記念物についても、現状を変更したり、保存に影響を及ぼす行為には許可が必要です(文化財保護法)。
また、開発の規模が大きい事業については、事業を始める前に自然環境等への影響を調査し、影響を避けたり減らしたりするための対策を検討する手続が義務付けられています(環境影響評価法)。そして、この制度の対象とならない小規模な施設についても、国が適切な環境配慮のガイドラインを示しています(太陽光発電の環境配慮ガイドライン等)。
これらに加え、自治体が条例等で地域の実情に合わせた仕組みを設けていることもあります。さらに、地域と事業者とのコミュニケーションによって、更なる慎重な配慮がなされる、以下のような事例も見受けられます。
そもそも、太陽光発電事業の開発のために、森林伐採をすることは許されるのですか。
林地における太陽光発電設備の導入に当たっては、森林の機能である、水を守る働きや自然環境を守る働き等が損なわれないようにするため、「森林法」に基づき、一定の規模を超える森林開発を都道府県知事の許可制とすることで、太陽光発電事業の開発が適切に行われるようにしています。
山の斜面などに設置された太陽光パネルを見ると、大雨の際の土砂崩れなどの危険性があるように感じます。太陽光パネルの設置にあたっては、どのような安全対策が求められているのでしょうか。
太陽電池発電設備については、電気事業法上の技術基準において、土砂流出又は地盤の崩壊を防止する措置を講じることを求めています。また、造成等の開発が行われる際に森林法や盛土規制法等に基づき、災害防止の観点から安全対策が求められます。
事業者は、設備の安全性だけでなく、地盤調査の実施や、降雨を想定した排水設備の設置、擁壁による斜面補強など、万全の防災対策を講じることが義務付けられています。
再エネ施設の設置にあたり、地域固有の景観との調和は、どのように考えられているのでしょうか。
自治体は、「景観法」や各自治体の景観条例に基づき、施設の高さや色彩などに制限を課したり、樹木で施設を囲う「緩衝帯」の配置を求めたりすることで、景観を損なうような施設の設置を制限することができます。また、景観は人々の生活実感とも密接な関わりを持っているため、写真の合成やCGによる景観シミュレーション等を用いて、丁寧に住民と合意形成を図る取組もなされています。
風車の設置による、騒音(低周波音)の影響を懸念しています。住民の生活に対してはどのような配慮がなされているのでしょうか。
国は騒音に関する環境基準に加え、風力発電施設から発生する騒音に関する指針を定めています。これらの基準や指針に基づき、多くの自治体は条例で、風車の騒音が環境基準値に適合しているかの確認や風車と住宅などの間に一定の距離を設けることを義務付けています。事業者は、これらの基準を守るため、事前に影響を予測・評価し、対策を講じる必要があります。
発電する期間が終わった後の太陽光パネルは、放置されないのでしょうか。
廃棄物となった使用済太陽光パネルは、廃棄物処理法に基づき、発電事業を行っていた事業者が責任をもって適正に処分することが義務付けられています。また、今後廃棄等される太陽光発電設備の大半を占めるFIT/FIP制度の認定を受けている設備については、再エネ特措法に基づく廃棄等費用積立制度が適用されます。これにより、認定事業者の責任において適切な廃棄等がなされるものと考えています。
これらのルールにより、使用済太陽光パネルが適切に処分される仕組みが整備されています。






