総評
今年度の審査のポイントは、「子どもたちが課題を主体的に捉えているか」「子どもたちの意識変容または行動変容につながっているか」「地域や外部団体との連携がとれているか」の三点でした。映像内に収めることは難しかったかもしれませんが、それぞれが工夫しながら取組を紹介してくれましたので、選定作品はご覧いただく方にとって活動のヒントを多く得られるものになっています。今後環境教育・ESDに取り組まれる方々は、ぜひ選定作品を参考にしていただければと思います。
本事業の趣旨
今、私たちは、「気候危機」とも言われる気候変動や生物多様性の損失など、地球規模での危機的状況に直面しています。これらの危機を克服し、持続可能な社会を実現するためには、環境問題を始め、現代社会における様々な問題を、自らの問題として主体的に捉え、身近なところから取り組むことが求められます。
環境教育・ESD(持続可能な開発のための教育)は、こうした課題の解決に向け、人々の価値観や行動等の変容を目指す教育・学習の取組として、学校や教育施設を始め様々な場で実践されています。しかし、その多くは現場の個人の工夫や努力に頼っている面も多く、新たに取り組もうと考えた方々にとって、参考となる事例が身近になく、イメージが沸かないため、実践に踏み出しにくいといった声もあり、結果として、その内容や有効性が他の現場に広がりにくくなっています。
そこで、全国各地で実施されている環境教育・ESDの実践事例から、新たに取り組もうとしている方がやってみようと思える事例の動画を、実践動画100選と銘打って集め、公表することとしました。これから取り組もうと考えている現場の方々の負担を軽減するとともに、現在取り組んでいる方々の地域でのネットワークをより強固にし、その取組を応援していくことを目的として、本事業を進めていきます。