知床五湖、今年も開園!

2023/04/25

今年度の知床五湖は例年通りとなる4月20日に開園を迎えました。
ただ例年より雪解けが早かったため、開園と同時に地上遊歩道の大ループも開放されています。

そんな中、開園したばかりの五湖を散策してきました。
※5/9まで植生保護期のため、森の中の地上遊歩道(小ループ・大ループ)をご散策される場合は、知床五湖フィールドハウスでレクチャーを受けていただく必要があります。
詳しい情報は下記サイトをご確認ください。
知床五湖 二つの歩き方(URL:https://www.goko.go.jp/index.html

森のいたるところで、ミズバショウが咲き誇っていました。
群生している辺りでは、ほのかに甘い花の香りが漂います。

アイヌ語では「イソキナ(熊草)」と呼ばれているミズバショウ。
クマたちがミズバショウの根を好んで食べることから、名付けられたそうです。
優雅な見た目のお花ですが、根には下痢を引き起こす成分が含まれています。

ヒグマは冬眠している間、飲まず食わずで過ごしますが、その間は排泄もしないので、体には毒素が溜まってしまいます。

春に冬眠から目覚めると、下剤としてミズバショウを食べることで毒素を排出するんだとか。
その後は解毒作用のあるクマザサを食べて、体内を浄化するそうです。

お医者さんに言われるでもなく、自分の体を健康に保つ術を心得ているのがすごいですね。

ヒグマが木を登ったと思われる痕跡を発見!
樹皮に爪のあとがくっきり残っています。木から降りる時につけられたのでしょうか。

地上遊歩道はヒグマの目撃情報が出た場合は、閉鎖されることもあります。
ご散策前に知床世界遺産センターや知床五湖フィールドハウスで利用状況を確認していただくようお願いいたします。

落ち葉の上にはエゾアカガエルの姿が。
茶色い枯れ葉にまぎれて、地面と同化していました。
うっかり踏んでしまわないよう、足元にも注意を払いつつ散策します。

春はエゾアカガエルの産卵シーズンでもあります。
五湖では数えきれないほどの卵が水中に浮かんでいました。

水面から顔を出したエゾアカガエル。

高架木道を歩いていても、エゾアカガエルの合唱が聴こえてきて賑やかでした。
ぼーっとした表情で遠くを眺めている子もいれば、意中の相手を追い掛け回す子もいたり、観察していると面白いです。
カエル達の行動を観察していると、時間があっという間に過ぎていました。

長い冬が過ぎ去り、生き物たちが活発に動き出す春の訪れを感じます。

【岸田】