ルサの森

2026/10/06

ルサフィールドハウス周辺は、海、川、山が間近に迫り、360度大自然に囲まれています。
今の時期、海ではマッコウクジラやイシイルカなどの海生哺乳類が泳ぎ、川ではまさにシロザケが遡上して次世代へ命をつなぐ営みが見られます。そして山々は、少しずつ紅葉し始めました。
今回ご紹介したいのは、そんなルサフィールドハウスから徒歩1分の場所にある「ルサの森」です。

ルサフィールドハウスから見える「ルサのもりの防鹿柵」

かつてこの周辺は、沼や灌木林が広がる湿地帯でした。しかし高度経済成長期を経て埋め立てられ、近隣のトンネル工事で出た建築残土などが積み上げられた場所になっていました。
やがて時は流れ、ルサフィールドハウスがオープン。周辺環境の整備を望む声が高まる中、町内の事業者様から「ルサの森を復元させるために」とご寄付をいただきました。これを機に、土地を所有する環境省、羅臼町、そして施設の維持管理を担う知床財団の三者で協定を結び、森の再生プロジェクトがスタートしたのです。

防鹿柵設置作業の様子(2017年)

ルサの森の復元は、新たに苗木を植えるのではなく、現地に自生しているトドマツやケヤマハンノキなどの稚樹(赤ちゃんの木)をそのまま育てる方法が、ルサの環境には最も適しているという結論に至りました。
現在はエゾシカの食害を防ぐための「防鹿柵(ぼうろくさく)」を設置し、その中で稚樹が成長する様子を見守っています。
防鹿柵を設置して3年目と、9年目(今年)の比較をご覧ください。

2020年と2026年を比較した柵内の様子

皆さんにはどのように映ったでしょうか?
「9年も経っているのに、そこまで成長していないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、ルサ地区は知床の山々の中でも標高が低く、冬になると北西からの強風が吹き込み、猛吹雪が発生しやすい過酷な環境です。その厳しい自然の中、柵に守られながらエゾシカの被害に遭うことなく、彼らは少しずつ安全に着実に成長しています。

ルサを訪れた際は、サケが遡上する川だけでなく、力強く生きる「ルサの森」にもぜひ注目してみてください。

【作成者】知床財団 モテギ

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