知床岳巡視2026
2026/6/24
2026年6月2日~4日の2泊3日で知床岳の巡視へ行ってきました。
初夏の知床岳は、残雪や融雪による水量の変化など、この時期ならではの厳しい自然の表情を見せてくれました。
刻々と変化する自然の厳しさに直面し、今回はチームの体力的な状況を考慮し、安全を最優先して1,132m地点にて下山を決定。
ピークを踏むことは叶いませんでしたが、今回私たちが歩んだ道のりを写真とともにお届けします。
- 相泊港
ここから観音岩まではひたすら石浜を歩きます。大小さまざまな石に足を取られやすく、足元に注意しながら進みます。

- カモイウンベ川
時期によって水位が変動する川です。今回は胴付長靴を着て渡りました。

- 観音岩
ほぼ垂直の岩壁に直面します。ここに設置されている残置ロープは、いつ切れてもおかしくない未管理のものです。これに命を預けるのは非常に危険ですので、ロープに頼らないようにしましょう。

- ウナキベツ川
以前、渡渉に利用されていた倒木は流失しており、今回は胴付長靴を着用して川を渡りました。この時は流れが強く、水深もお尻付近まで達し、足元をすくわれそうになりました。渡渉の際には注意が必要です。
ここから先は崩壊地までひたすら林内を進むことになりますが、明確な道はなく非常に迷いやすいエリアです。

- 青沼
目の前に現れるのは、まるで北海道美瑛町にある「青い池」を彷彿とさせるような、神秘的で美しい青い沼です。過酷な道中において、一瞬心が癒やされるスポットでもあります。
この青沼から流れる沢から給水が可能ですが、エキノコックス等のリスクがあるため、煮沸や浄水フィルターの使用は必須です。

- 崩壊地
青沼を過ぎると、ポロモイ台地入口まで続く急登が始まります。
一気に450mほどの標高を稼ぐことになりますが、特に標高650m〜800m付近は足元が崩れやすいガレ場です。一歩一歩足の置き場を慎重に選ばないと滑落や落石の危険があり、精神も体力も削られる区間です。

- ポロモイ台地
険しい崩壊地を抜けたポロモイ台地からは、ハイマツとの格闘が始まります。ここから先はほぼ全域が濃密なハイマツ帯です。
ハイマツの密度が濃いため足元がまったく見えず、ルートを探すのに一苦労。
体を覆い尽くすほどのハイマツに阻まれ、2m離れただけでも前の人を見失ってしまうほど。
場所によっては匍匐前進で這いつくばりながら進む場面もあり、ルートを維持して進むことがいかに困難か、改めて思い知らされました。 - 知床沼
知床沼から70mほど離れた野営指定地でテント設営が可能です。
周辺はチングルマやミネズオウなどが咲き誇る、非常に繊細な高山植物の楽園となっています。貴重な植生を傷つけないよう、ロープ枠外での野営は厳禁です。
なお、エキノコックス等のリスクを避けるため、沼の水を利用する際は煮沸と浄水フィルターの使用が必須です。

- 知床岳
知床沼から先はさらに深く、背丈を超えるようなハイマツが行く手に立ちはだかります。一部の尾根沿いではすぐ脇が崩落している箇所もあり、一歩の踏み外しが命取りになります。
今回は、この圧倒的なハイマツの密度と、チーム全体の体力の消耗度合いを考慮し、山頂の手前である「1,132m地点」にて引き返す判断をしました。
グループでの登山を計画されている皆さんも、メンバーの中で一番体力が厳しい人に全体のペースを合わせること、そして「このメンバーでの安全な引き際はどこか」を、事前に話し合っておくことをお勧めします。また事前の準備や情報収集が大切です。
自然への畏敬の念を忘れず、いつかまた、万全の体制で再挑戦したいと思います。
ブログを見て、挑戦してみたいと感じた方は↓
● 事前にルサフィールドハウスへお立ち寄りください。
● 知床半島先端部地区利用の心得「シレココ」から知床岳の基本的な情報を学ぶことができます。 以下URLを参照ください。
原口