ルサ川の流れ
2025/10/01
知床半島の東側、羅臼町を流れるルサ川は、知床国立公園の豊かな生態系が凝縮された川のひとつです。

山あいを流れるこの川をのぞくと、秋にはシロザケが遡上する姿が見られます。
サケやマスは海へ下り、その身にたっぷりと栄養を蓄え、やがて川へ戻り、ヒグマやキツネ、シマフクロウ、オジロワシなど、多様な生き物たちに海の恵みを届ける大切な存在です。

普段は静かな流れのルサ川も、大雨などでひとたび増水するとその姿を一変させます。
澄んだ清流はあっという間に濁流となり、川の形さえも変えてしまいます。

激しい流れは岸を削り、上流から十数トンはあろうかという砂礫や大木を押し流します。
その力は、およそ人の手でコントロールできるものではありません。

一方で、この増水もまた自然の営みのひとつ。流れによって川底の砂利が入れ替わり、
ときには新しいサケ・マスの産卵床が生まれることもあります。

今回の変化がサケやマスにとって吉とでるか凶とでるか――。
これからもルサフィールドハウスから見守っていきたいと思います。
★2025年度ルサフィールドハウス★
5月1日~10月31日 9:00~17:00開館
毎週火曜日休館
★知床岬方面のトレッキング・登山・シーカヤック・サケマス釣り★
★日々のちいさな変化や情報★
みやこし