登山道があるところ
2020/05/15
- - - - 新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言に伴いルサフィールドハウスは5月1日より当面の間休館しております- - - -
- - - - 今後の開館等状況は当ブログやtwitterでお知らせいたします- - - -
- - - - お問い合わせは 知床羅臼ビジターセンター 0153-87-2828 へお願いいたします- - - -
5月は暑いと寒いの繰り返し。
昨日から2日続けて平地は気温10℃を下回り、知床横断道路は悪天候のため終日閉鎖しています。
また、知床半島先端部地区についても、
4月のヒグマ接近遭遇事例以降現在も利用自粛が続いています。
先端部地区は日ごろ紹介しているとおり、
「厳しい自然環境であり、利用のための整備等がなされていないエリア」です。
さて、ではこの「整備」をおこなっている場所では、具体的に何を実施しているのか?
5/12、羅臼岳にて
羅臼温泉コースの巡視の合間、早くも今夏の整備作業がおこなわれたので一部をご紹介。
登山道周辺のようすは 知床羅臼ビジターセンターブログ で詳しくご覧いただけます!

登山道はトレイルをつけたら終わり、ではありません。
毎年、草刈りや倒木処理、落石や崩落箇所の確認、
看板の設置、沢や雪渓での道迷い防止の誘導ロープ設置etc
登山道自体のメンテナンスと、 利用者の安全を確保するための管理の継続が必要です。
この日は運よく?前日の雨も上がり作業にはまずまずのコンディション。
風雨の日に当たると「ぐちゃドロ」の悲惨な作業...

冬の間に倒れたであろう、登山道をふさぐ大きな倒木の処理。
チェーンソーは持ち込めません。手ノコで容量よく切断し、男3人で転がして移動。
時間、労力、人手も必要な、大変な作業です。
この日、泊場(標高約800m)から上部は、残雪で登山道も森もつながっているので
目的地までショートカットして進みます。
春先、芽吹き前の山の中は視界が広い。

画像中央正面、夏に皆が苦心する「屏風の雪渓」、
そのさらに下側で、雪崩の跡を発見。
発生は4月上・中旬の見込み、
発生地点が屏風岩上部(西側)と見られ、沿面距離約1.2km、
登山道上(屏風の雪渓上)を雪崩が走っていました。

サシルイの沢への迷い込み防止ロープ、お花畑分岐標柱設置、
羅臼平へのロープ設置など、高標高エリアの整備は次回以降。

岩清水から上部、雪渓は例年どおり大きく2箇所。
稜線上は予想に反し?この時期にしては融雪が進んでいるようす。
目に映る白い面がすべて消失するまで数か月。
融けた雪は水となって、川を下り、地を流れ、根室海峡、オホーツク海へ注ぎます。
四季の変化、自然のサイクルは繊細かつ壮大。
知床はそんな移ろいを、まっすぐに体感できる場所です。
この先、みなさんのお越しをお待ちしています!
★片道約7kmの羅臼温泉コースは「上級者向け」です。
登山道は整備をおこなっていますが、ササや岩で滑りやすい足元の不安定な斜面、渡渉、雪渓などがあり
快適が担保されているものではありません。
稜線や山頂付近は、先端部地区のバックカントリーの厳しさに並ぶ、命の危険にさらされることもある環境です。
先々、登山を計画されるかたは、出発前に知床羅臼ビジターセンターへお立ち寄りください★
(知床財団イナバ)