先端部地区の山のなか03
2019/06/16
知床沼からはじまる朝。

南からの風は北寄りになり、唸っている。
天気予報は夜から雨。
不在中にポールが折れたら困る、日のあるうちに撤収すべきか、
起こりうるあらゆる出来事を考えながら、ひとまずテントを潰して1132峰へ。

標高差約200m、
12年前に、1時間で登った区間は
ヤブの濃さに押され、迷い、2時間。
当時は走って登ったのか?...(いや、体力の低下、もとい老化だろう)
稜線上から1243峰。

雪渓が予想より残っている。
空が抜けたところでは少し気も晴れる。が、

基本はこんなありさまだ。
かつて見られた古い・狭い・細いトレースは
枝葉を広げ成長し・あるいは枯れたマツやササに埋もれ、見落としの連発。
ヤブに阻まれ、目の前、たった数メートルが進めない。
右か左か、行ったり・来たり。
距離で半分、歩き始めて3時間を過ぎ、先を思って心が折れた。

虚しい帰路、稜線上で携帯電波は入るか試してみたが圏外。
下り道、ルートを外し、木に登って偵察。

青々とした樹の海。
ヤブ漕ぎ土産のマツヤニをまとった汚く侘しい自分にも、
この景観は掛け値なし。
知床岳夏季登山では、過去に低体温症による事故も起きています。
ロングルートのヤブ漕ぎです。目指す人は心して来てください。
まずはシレココを読んでから

(知床財団イナバ)