オオワシ(タカ科)英名:Steller's Sea Eagle
白くて長いくさび形の尾を持つ大型のワシです。大きな嘴と足はあざやかな黄色です。額、肩と腿は白色です。
冬鳥として主に北日本の海岸に渡来し、飛来数が特に多い知床では、海岸の木や流氷上に数十羽がとまっているのが見られます。
同じ木に集結して休息する光景は、まるでワシのなる木のようです。
白くて長いくさび形の尾を持つ大型のワシです。大きな嘴と足はあざやかな黄色です。額、肩と腿は白色です。
冬鳥として主に北日本の海岸に渡来し、飛来数が特に多い知床では、海岸の木や流氷上に数十羽がとまっているのが見られます。
同じ木に集結して休息する光景は、まるでワシのなる木のようです。
翼の幅が広くて四角いワシです。尾は短く、少しくさび形です。全身は褐色で尾は白色をしています。嘴、足は黄色です。
知床では1年を通して見られる鳥で、少数ですが夏に繁殖しており、人が容易に近づけない海岸断崖上の大木などに巣を作ります。
「カッカッカッカッ・・・」「クワックワックワックワッ・・・」と大きな声で鳴きます。
魚が主食ですが、カモなども捕まえて食べます。
世界最大級のフクロウで、長くて幅の広い羽角をを持っています。翼は幅広く尾が短く、胸と腹の黒褐色の縦縞が特徴です。
国内では北海道のみに生息しており、魚を主に食べ、広葉樹の大木に営巣します。めったに見られることはありませんが、知床ではごくまれにオスとメスが鳴き交わす声がきこえることがあります。
近年、こうした大木の減少や餌となる魚の減少、河川環境の改変等の生息環境の悪化により生息数は少なく絶滅の危機に瀕しています。
全身ほぼ黒褐色で、喉から体下面は灰褐色です。翼下面は灰色~灰白色で、濃淡の変異があります。
オーストラリア南東部で繁殖し、知床では春から秋にかけて数千~数万羽の大群が訪れます。
海面が真っ黒になり、いっせいに飛び立つ様子は圧巻です。
羅臼沖にやってくる時期はハシボソミズナギドリの換羽の時期で、飛んだり、餌をとったりが上手にできない時期なのですが、根室海峡の豊富な餌を求めてはるばるやってきます。
旅鳥としておもに春と秋に海上で見られ、冬には大きな群れが見られることもあります。
オスもメスも同色で、淡色型から暗色型まで様々なパターンがあります。成鳥の中央尾羽2枚は長く突き出していて、先端が丸みを帯びスプーン状に見えるのが特徴です。
魚類を捕食するほか、カモメ類やミズナギドリ類を襲い、餌を奪い取ります。
季節によって羽根の色が変わります。夏羽は全身が黒褐色で、目の周辺は白色です。>
目の上から黄白色の房状の羽毛が出て、嘴は大きく先端はオレンジ色で基部はくすんだ黄緑色です。冬羽は、飾り羽がなくなり、全体に黒っぽくなります。
エトピリカとはアイヌ語で「くちばし(etu)が美しい(pirika)」という意味です。
その数は少なく、絶滅危惧種に指定されています。
成鳥夏羽は頭部から喉、首と背からの上面にかけて黒褐色で、光の具合でチョコレート色に見えます。首は長く胸からの体下面は白く、脇に不明瞭な黒褐色の横斑があります。
「オロローン」という鳴き声から別名「オロロン鳥」とよばれています。
魚や甲殻類、軟体動物を餌にしています。
数が非常に少なく、絶滅が危惧されていますが、羅臼沖ではまれに見ることができます。
夏羽は全体的にこげ茶色で、喉から腹にかけて黄褐色のうろこ模様があり、冬羽は黒と白のツートンカラーです。
他のウミスズメ科の鳥とは違い、主に樹上で営巣します。
知床では、成鳥と幼鳥が観察されたことがあり、繁殖の可能性があります。
極めて数が少なく、神秘的な謎の多い鳥です。
魚類やオキアミ、アミなどの甲殻類を食べます。
首が太くて長く、頬~喉は白色で、体の大部分は緑色光沢のある黒色です。
流氷が海を埋めつくすと姿を消しますが、少しでも開氷面があると姿をあらわし、流氷の上で大きな羽根を広げて日光を浴びていることがあります。
中型のカモメで、4年目で成鳥羽になります。嘴に赤と黒の帯があること、尾に黒い帯が目立つことが特徴です。
日本産のカモメ類の中で、成鳥の尾に明瞭な黒帯が残るのはウミネコだけです。
海面近くにいる小魚やエビ類、イカなどを食べています。
「ニャーニャー」とネコのような鳴き声が、ウミネコの名前の由来です。
冬鳥として主に北日本地方の岩礁の多い海岸に渡来します。
英名ハーレクインダック(ピエロガモ)というようにオスは特徴ある美しい色彩をしていて、頭、背、胸、腹は紫黒色で顔の前面と目の後方などに様々な形の白斑があります。
脇と側頭部は赤栗色です。メスは全体に褐色ですが、顔の眼の前方と耳羽に白斑があります。
潜水して貝類や水生生物などを食べます。
知床を代表する生き物のひとつです。オスは背中が大きく盛り上がるという特徴から背っぱりマスとも呼ばれます。
体の背側や尾ビレ、脂ビレに大きな黒点があるのが特徴です。
ほとんどが2年で回帰し、母川へ戻る習性がそれほど強くないため、驚くような小さい川にも遡上していることがあります。
ヒグマなど山の生き物の重要な餌であり、海でたくわえた栄養を山へ運ぶ、知床の生態系に欠かすことのできない重要な役割を果たしています。
夏の終わりが近づくと、ルサ川をはじめとした知床半島の多くの河川で遡上する姿を観察することが出来ます。
通常は8月中旬から9月末が見頃です。
サケと同様、半身を鉄板で焼く「ちゃんちゃん焼き」は、北海道の郷土料理です。
北海道を代表する魚のひとつです。海洋生活期には、体の背部は青黒色、体側は銀色、腹部は白色で、背部やヒレに黒点はありませんが、成熟するにつれて体は黒ずみ、体側に赤、黄、紫色などが混じった模様が表れ、両顎の歯が丈夫になるなどの変化をみせます。
川で生まれて海へ下った後は3~5年で帰ってきますが、戻ってくるのは4年魚が最も多いようです。
成長段階や漁獲時期などにより様々な別称があり、アキアジ、ギンケ(銀毛)、ブナ、ホッチャレ、トキシラズ、メジカ、ケイジなどと呼ばれます。羅臼町では、9~11月に羅臼川、ルサ川、春苅古丹川などの大きな河川で遡上する姿を観察することができます。
カラフトマスと同様にヒグマやシマフクロウ、ワシ類などの貴重な餌で、知床の生態系に欠かすことのできない重要な役割を果たしています。
北海道のほぼ全域で採れる魚のひとつです。体は細長い紡錘形で、尾ビレが二股に分かれています。
体色は稚魚期から若魚期にかけては青色で、成魚期には背部が茶褐色から黄褐色のまだら模様になります。
産卵は9月中旬~12月中旬。成魚はおなじ場所にいることが多いですが、仔稚魚期から未成魚期にかけては比較的広範囲な回遊をします。
ホッケは成長によって呼び方が変わり、稚魚期から着底前までの表層回遊期はコバルト色の体色から「アオボッケ」、着底してから1歳までの未成魚は「ロウソクボッケ」、1歳半の春に餌を求めて沿岸に接岸するものを「ハルボッケ」、岩礁周辺に定着するようになると「ネボッケ」と呼びます。
通称「スケソ」「スケソウ」と呼ばれる魚。
細長い体で、目と口は大きく、下顎が上顎より前に出て、下顎のひげはない(又は、極めて小さい)ことで他のタラ科の魚と区別します。成魚は冬から春にかけて産卵場所に集まり、夏から秋に餌を探すために分散して回遊します。
成魚ではオキアミ類などのプランクトンのほか、魚類、イカ類なども捕食します。
親が子どもを食べる「共食い」の習性ももちます。1尾のメスが約1ヵ月にわたり数日おきに複数回に分けて卵を産むため、群れとしての産卵期は4ヵ月と長期にわたります。
すり身やかまぼこの原料、卵巣はたらことして利用されています。
羅臼では刺し身や開き干しなどでもたべられています。
カレイ類は北海道の重要な漁業資源であり、根室海峡では他にもマガレイ、ソウハチ、アサバガレイなどといった多くのカレイ類が生息、水あげされています。
クロガシラガレイは全長30から50cmほどになり、水深が100mより浅い砂地などに多く生息します。ダイビングでもよく見かけるカレイの一種であり、また釣り魚としても美味で人気のある魚です。
朱赤色の体や頭部の鋭いトゲ、大きな口と目が特徴で、深海性ですがうきぶくろがありません。水深150~1200mの大陸棚斜面に生息し、小型魚は浅いところに、大型魚は深いところに多くみられます。大きな回遊はせずに季節的な深浅移動を行う程度で、岩礁域に定住する傾向が強くみられます。産卵期は2~5月で、ゼラチン質に包まれた卵を産みます。漁獲量は減少傾向にあり、それに伴って魚体も小型化しています。「メンメ」「キンキ」とも呼ばれている脂ののりが非常に良い魚で、刺し身や一夜干し、煮物にして食べられます。羅臼ならではの食べ方に、湯煮(ゆに)といわれるものがあります。
外套膜(内臓を覆う部分)は筒型で中央部がやや太く、後方がしだいに細くなり、後端はとがっています。腕の長さは外套長(外套膜の長さ)の約半分で、吸盤が2列になっています。生まれた時期の違いから、秋生まれ群、冬生まれ群、夏生まれ群の3系群に分けられ分布しますが、北海道近海には産卵場がないため、餌を探すために来遊します。根室海峡に回遊するスルメイカの多くは冬生まれで、餌を求めて北上し、その寿命を終える冬を前に、根室海峡に到達します。全国からイカ釣り漁船が集結し、その漁火は人工衛星からとらえられるほど。羅臼の秋の風物詩です。
殻はまんじゅう型、トゲは5~7mmと短いのが特徴で、体の色は一定せず、灰褐色、黄褐色、暗緑色のものが多くみられます。通常、身といわれ食用にされるのは卵巣の部分で、鮮やかなオレンジ色なのが特徴です。沿岸に分布し、潮間帯から水深50mまでの岩礁域などに生息します。産卵期は6~10月頃です。雑食なので何でも食べますが、食べる餌によってウニ自体の味も変わってきます。特に、羅臼昆布(オニコンブ)や利尻昆布を食べて育ったエゾバフンウニの味は絶品といわれています。羅臼では1月中旬から6月下旬、主にたも採り漁で漁が行われます。通称「磯船」という小さい船で出漁し、箱メガネで海中をのぞいて網がついている棒でウニをすくって採取する漁法です。
成長した葉はささの葉状で、長さは通常1.5~3mほどになり、幅は20~30cm、ときには50cm以上になって中央部よりやや下が最も幅広くなります。茎は円柱状で長さは6~10cm、直径は8~15mmで、上部は次第に偏平となって葉部につながります。主産地が羅臼町のため「羅臼昆布」とも呼ばれます。羅臼にはオニコンブの他に、リシリコンブ、カラフトトロロコンブなどが生育していますが、コンブ漁の主流はオニコンブ(羅臼昆布)漁です。
白色と黒色のはっきりとしたツートンカラーで、下アゴから腹側面、尾びれの下、目の上後方が白色で他は黒色です。
背ビレの後ろには白斑 (サドルパッチ)があります。
羅臼沖では、この白斑が黄褐色の新生児も観察されることもあります。
ほぼ一年を通して見ることができ、羅臼沖では4月~6月にかけて頻繁に見ることができます。
この時期、いくつかの群れが集まって数十頭もシャチが観察されたこともあり、「集団お見合い」をしているのではないかと言われています。
海上だけではなく、「クジラの見える丘公園」の展望デッキや、「ルサフィールドハウス」2階の展望スペースなど、陸上から見えることもあります
長いクチバシが特徴で、ハクジラ(歯鯨)類ではマッコウクジラに次いで2番目に大きい種です。
数頭~20頭の密集した群れを作り、ほぼ通年観察できますが、羅臼沖では特に2~3月と8~9月によく見られます。
約11mにも達する巨体がすべて見えるようなジャンプをすることがあり、水しぶきがあがり迫力満点です。
運が良ければ、豪快なジャンプを「ルサフィールドハウス」2階展望スペースからみることができます。
深海の底の方にすむイカ、魚、甲殻類などを食べています。
ハクジラ(歯鯨)類の中では最大のクジラで、オスでは最大18mにもなります。
頭が大きく体長の1/4~1/3を占めています。
海面に浮上した時にしばらく留まって呼吸を整えてから、尾ビレを高々と上げて一気に深いところへ潜っていきます。
羅臼沖では7~10月によく見られますが、根室海峡沖に回遊してくるマッコウクジラはほとんどがオスだと言われています。
シャチとともに、生態や行動の調査研究がされています。
白黒のツートンカラーの美しいイルカです。
高速で泳ぎ、海面に特徴的な形の水しぶきがあがるため、イシイルカがいることがわかります。
この水しぶきの形が横から見ると雄鶏のトサカに見えるので、英語では「ルースターテイル」と呼ばれています。
羅臼沖では5~10月に見られ、夏に出会えないことはめったにありません。
体長6~8mで、胸ビレ上面の白い帯状模様が特徴の小型ヒゲクジラ(鬚鯨)です。
オキアミや小魚を海水ごと口に含み、歯がない代わりに皮膚から変化したクジラヒゲでこし取って食べます。
羅臼沖では、特に5~6月によく見られます。
アシカ類の中では最大で、千島列島やオホーツク海で産まれ、越冬と繁殖に備える餌場として北海道沿岸を利用しています。
羅臼周辺の海岸では12~1月に、たくさんのトドを観察することができます。
流氷が来ると大部分は移動してしまうので観察が難しくなります。
トドは岩礁で休むのが普通ですが、羅臼沖では海面の狭い範囲でプカプカ浮いていることもあります。
羅臼沖に来るトドの群れは、妊娠したメスの割合が多いのが特徴です。
あまり知られていませんが、独特の帯状模様が美しいアザラシです。
羅臼沖では2月~4月上旬に見られ、特に3月中旬以降によく見られます。
ゴマフアザラシと違い、腹を水面に浮かせてプカプカと浮いていたりすることがあります。
3月末~4月の上旬に出産をし、真っ白い産毛の赤ちゃんを産み流氷の上で子育てをします。
沿岸にはほとんど近づかないため、通常は観光船に乗らなければ出会えないアザラシです。
日本人に最もなじみの深いアザラシで、全国の動物園・水族館でも飼育されています。
羅臼沖では12月末~4月中旬に見られますが、特によく見られるのは2月初旬以降で、流氷とともに移動します。
3月中旬~4月中旬に流氷の上で出産するので、観光船からも赤ちゃんを見られることがあります。
頭を水面から出してキョロキョロしたり、鼻をあげて休んだりします。