羅臼の海と生き物を守る「鯨類ウォッチング自主ルール」とは?
2026年5月26日
羅臼の海は、毎年5月~6月の今、観察チャンスが高まる「ハイシーズン」を迎えます。
そんな羅臼沖へ、5月中旬に観光船に乗ってホエールウォッチングに行ってきました!
船に乗り込むと力強いエンジン音に体が震え、いよいよ大海原へ出発する高揚感は何度味わっても言葉にできません。

この時期に羅臼を訪れるなら、5月が特におすすめです。なぜなら、美しく雪が残る「知床連山」を背景に、悠々と泳ぐシャチの背びれを写真に収めることができるからです。
白く染まった雄大な山々と黒く輝くシャチのコントラストは、この時期にしか見られない絶景です。
羅臼にやってくるシャチの群れは、経験豊かな「年長者のメス」がリーダーを務めています。
群れの中には子育て中の家族が多く、この時期は可愛らしい子シャチに出会える絶好のチャンスでもあります。
並んで泳いでる中で、ひときわ小さく、アイパッチやお腹の白い部分が黄色みがかっているのが特徴です。
また、オスとメスを見分けるには背びれがポイント。オスとメスでは背びれの大きさが全然違い、大人のオスは最大で2メートル近くにも達します。
海面から突き出る大きな背びれは圧巻で、メスと並んで泳ぐとその差がよくわかります。

この日のクルーズではシャチだけでなく、なんと「世界で二番目に大きな動物」であるナガスクジラに出会うこともできました!

実は、陸からこれほど近い距離で、大型の鯨類を頻繁に観察できる場所は、世界中を探しても非常に稀です。
その大きな要因は、羅臼沖の海底地形にあります。海岸から少し離れると急激に海溝が深くなっており、そこに鯨類を養えるほどの豊富なエサが集まっていることが理由として考えられています。
海の動物たちを守るための「鯨類ウォッチング自主ルール」

この奇跡のような海で、希少な生き物たちを観察できる環境が将来にわたって続くよう、羅臼海域連絡協議会では「鯨類ウォッチング自主ルール」を定めています。
自然環境に配慮し、生き物のありのままの姿を楽しんでいただくための大切な約束です。
- 接近時の基本ルール
発見した野生鳥獣に接近を試みる際は、動物の行動や周囲の環境をしっかり観察・把握し、ゆっくりと接近します。
長時間のウォッチングなど、生態行動に影響を与える恐れがある場合は、運航管理者同士で協議の上、その場を離れます。 - クジラ・シャチウォッチングでの配慮
距離の確保: 半径300mを「減速水域」、半径100mを「不可侵水域」として設けます。
子供連れの場合: 通常のおよそ二倍(約200m)の距離をとります。
接近の角度: 個体や群れの進行方向を遮らないよう、必ず「斜め後方」から接近します。
クジラ側から近づいてきた場合: 不可侵水域である100mより内側に鯨類側から接近してきた場合は、その場から動かず、100mほど距離が取れるまで「停船」して待ちます。 - イルカウォッチングでの配慮
距離の確保: 半径200mを「減速水域」、半径50mを「不可侵水域」として設けます。
接近と観察: 個体や群れの進行方向を遮らないよう斜め後方より接近し、追いまわしはせず、並走しながら観察します。
こうしたルールのもとで観察が行われていることが、この先も適切な距離で生き物観察ができる環境を守ることに繋がります。
好評につき延長!特別展「今日、シャチいるかもよ。」

最後にお知らせです!
5月いっぱいまで知床羅臼ビジターセンターで開催されていた羅臼海域連絡協議会主催のシャチ特別展「今日、シャチいるかもよ。」が、大好評につき延長が決定しました!
6月5日からは「道の駅 知床・羅臼」にお引越しして開催されます。
ホエールウォッチングの前後に立ち寄れば、シャチの生態や自主ルールについてより深く学ぶことができます。
ぜひ初夏の羅臼へ、感動の体験と学びの旅に出かけてみませんか?
みやこし