7月2,3日で知床連山縦走に行ってきました

2025年7月18日

7月2,3日で、羅臼岳岩尾別登山口から登って硫黄山登山口に抜ける、1泊2日の縦走を行いました。

羅臼岳岩尾別登山口

岩尾別登山口にてルートや注意事項を確認したらいざスタートです。
今年度より入林簿は設置されません。
事前に登山計画を立てる際に、併せて登山届の提出をお願いします。

登り始めて数十分間は、キツイ……と思いながら足を動かしていましたが、ある程度登ると身体が慣れてきたのか、少し楽になってきました。縦走の大荷物に身体が慣れるまでが一番ハードかもしれません。

弥三吉水の様子

しばらく歩くと最初の水場、弥三吉水に到着します。浄水器で濾過して水をチャージしておきます。

登山道にせり出した木の様子

その後もずいずい登っていきますが、弥三吉水を過ぎたあたりから登山道上にせり出した木が目立ってくるようになります。
これがなかなか厳しい!背筋を伸ばして歩いているとまず頭をぶつけ、それを避けようと少しかがむと今度はザックをぶつけます。そのため思った以上にグッと膝を曲げて頭もザックも木と干渉しない高さにして進む必要があるのですが、これが思いの外体力を消費します。
せり出す木にグギギ……となりながら歩いていると、2つ目の水場、銀冷水に到着です。

銀冷水の様子

どこで水を汲むべきかがややわかりにくいですが、写真奥の沢を少し上るとちょうど良い段差があるので、そこが汲みやすいです。

携帯トイレブースの写真

銀冷水には携帯トイレブースもありますので、必要に応じてご利用ください。
※携帯トイレの購入を事前にお願いします。

大沢の雪渓の様子

銀冷水を過ぎると大沢です。7/2時点で、アイゼンがあると楽ではあるものの、人によってはアイゼンなしでも登れるだろう、くらいの雪渓の残り具合でした。
大沢を過ぎて少し登ると、羅臼平に到着です。
羅臼平にいる人々の多くは羅臼岳のピークに向かいますが、こちらは縦走。人気のない道を行きます。

三ツ峰まで向かう途中のハイマツ漕ぎ

縦走路に入った途端ハイマツが濃くなり、利用者が少ないことが感じられました。

三ツ峰野営指定地の水場

三ツ峰野営指定地です。7/2時点では取水可能でした。雪渓がなくなると取水できなくなります。
三ツ峰野営指定地にはフードロッカーが2つありますが、1つは修理中のため、利用可能なのは西側の1つのみです。ご了承ください。
修理の工期は2025年12月12日までの予定です。

サシルイ岳の雪渓

三ツ峰野営指定地から進んで、サシルイ岳~ミクリ沼には広範囲に雪渓が残り、その影響で雪渓直後の登山道に雪解け水が流れ込んで沢のようになっていました。

二つ池を望む人

さて、ミクリ沼を越え、オッカバケ岳を登ると、野営指定地である二つ池がもう目の前。20分ほど下ると、二つ池に到着します。

二つ池野営指定地

ここをキャンプ地とします。
この日は朝5:30から登り始めて、14:00の到着。日没までかなり時間的な余裕があったので、翌日に備えてしっかり休みます。

二つ池を出てのハイマツ漕ぎ

翌朝、キャンプ地を出て即ハイマツ漕ぎからスタートです。この日は朝4:30に出発しましたが、ハイマツは朝露まみれ。
その中を進むわけで、ものの数分で全身びしょ濡れです。登山靴も水没したかのようにびしょびしょになりました。
ハイマツ漕ぎを続け、視界もままならない中ずっと南岳まで進みます。

シレトコスミレ

シレトコスミレ!!!
花が落ちて実をつけていましたが、シレトコスミレを観察できました。

知円別岳を過ぎてからの景色

南岳からさらに進み、知円別岳を過ぎてからはまるで違う星に来たかのような景色が続きます。

硫黄山直下の雪渓

景色を楽しみながら硫黄山直下まで来ると、今回の縦走で一番急傾斜に広がる雪渓が現れました。夏道の露出はありません。
ガスも相まって、滑落したらどこまで落ちるのか見えない中、細心の注意を払って渡ります。

硫黄山を越えての下り

硫黄山直下の雪渓を越えて少し進むと、いよいよ下りの道になります。

硫黄沢の雪渓

この縦走でラストの雪渓である硫黄沢の雪渓は、特に沢の上部が薄くなっていますので、踏み抜かないよう慎重に進みます。

白い岩場

硫黄沢を越え、白い岩場を進みます。熱水により岩石が変質し、白くなっています。火山を感じますね。
このあたりはルートがわかりにくい分、道案内の矢印マークが多くの岩に描かれていますので、案内に従って進みます。

登山道上から見るカムイワッカ川

硫黄山登山口が近くなってくると、登山道からカムイワッカ川が見えます。もうひと踏ん張り!

特例通行申請書記入台

最後に、硫黄山登山口からカムイワッカ湯の滝までは特例通行申請が必要な林道上を歩くことになりますので、下山後はカムイワッカ湯の滝にある申請書に忘れずに必要事項を記入してフィニッシュです。

特例通行申請については以下のサイトを参照ください。
道道知床公園線の通行止区間(カムイワッカ~硫黄山登山口)における登山者の歩行利用について

華学