師走の羅臼より
2024年12月13日
朝、家を出ると眩しくて目を細めるくらいの白い世界が広がっています。
羅臼岳がその雄大な姿をお披露目してくれる日は少ないですが、時折晴れた日に見せるその姿は気分を昂らせてくれます。
16時には日が暮れる羅臼の沖ではイカ釣り漁船の漁火が輝いています。
根室海峡で行われるイカ漁で漁獲されるのはスルメイカで、知床の豊かな海が町外、道外からの船を呼んでいます。
過去には100艘もの漁船が羅臼の沖を明るい光で照らしていましたが、最近は海の中の環境が変化しているせいなのか暗闇を照らす光の数は減っているようです。
さらに、この時期になると越冬のためにやってくるオオワシ、オジロワシの姿を見かけるようになります。
※オジロワシの一部は道内にも生息しているので通年で観察できます。
オオワシの成鳥は肩の白色と大きな嘴の黄色が特徴的で、オジロワシの成鳥は、その名の通り白い尾が特徴的です。
6~8年かけて成鳥となる両種の亜成鳥は容姿が似ていますが、飛翔している際の尾羽の形状と嘴の形や色で見分けることができます。
また、両種は絶滅を危惧されており環境省のレッドリストに記載されている猛禽類です。
種の保存法によって国内希少野生動植物種にも指定されており、
自然状態で安定的に存続できる状態を目標として保護増殖事業が展開されています。
詳細は下記URLをご覧ください。
環境省 種の保存法について
環境省 保護増殖事業について
知床羅臼ビジターセンターではクリスマスツリーが飾られ、知床の動物たちを模したオーナメントが装飾されています。
オーナメントの裏には、その生物にまつわる情報が記載されており、見て良し、裏返して良しの展示となっております。
来館された際には、どのような動物がいるか、どのような情報が記載されているか、是非とも直接お手に取ってご覧ください。
あわただしく過ぎてゆく羅臼の師走も残り僅かです。
皆様のご来館心よりおまちしております。
渡辺