8/9の羅臼岳羅臼温泉コースの状況

2024年8月30日

8月9日、羅臼岳羅臼温泉コースの巡視に行ってきました。

羅臼岳登山口を指し示すビジターセンター前の看板

羅臼岳登山ではウトロ側の岩尾別コースを利用する方がほとんどですが、羅臼側にも登山道があります。
知床羅臼ビジターセンターから裏手にある間歇泉に進み、さらに進むと羅臼岳登山がスタートです!

羅臼岳羅臼温泉登山口の様子

羅臼温泉コースでは、入山直後、いきなり渡渉する必要があります。
登山靴のまま渡渉可能ですが、靴は多少濡れますので覚悟しておきましょう。
雨が降った次の日などは特にご注意ください。

渡渉しなければならない沢

沢を越えて少し歩くと、やっと入林箱があります。
登山口入口から5分ほど歩かないとたどり着かないので本当にあるのか初見だとやや不安になりますが、ちゃんとあります。
遭難時の捜索などに利用されますので、入林簿に必要事項の記入をお願いします。

入林箱の様子

1時間ほど歩くと、里見台に到着します。ベンチがあるので一休み。当日は良い景色でした。

里見台の様子

泊場までは迷うようなところはほぼありませんが、道中ところどころにピンクテープや迂回路の表示があります。

ピンクテープが登山ルート

表示に従って進みます。

迂回路の表示

取水ポイント、泊場に到着しました。夏から秋に羅臼温泉コースで登る場合、ここが唯一の取水ポイントと思った方が良いでしょう。
もうひとつの取水ポイントである頂上近くの岩清水は、夏には涸れていることがほとんどです。この日も涸れていました。

泊場の看板

取水する場合は、上流に向かって右から流れ出て川に合流している水を汲みます。
エキノコックス対策として、浄水器の利用をおすすめします。
本流の川は硫黄のニオイが強烈でとても飲用できません。

泊場で汲める水

泊場から約1km、屏風岩の辺りから傾斜がキツくなってきます。滑落や落石に注意しつつ、無理のないように登りましょう。

屏風岩近くの急傾斜を登るヒト

途中植生保護のための誘導ロープがあるので、ロープの内側を登ります。

岩清水直登コース

最終的には両手両足を駆使しないと登れないような岩場になりますが、それを乗り越えると無事登頂です。

羅臼岳山頂の看板

晴れていれば知床連山や国後島が一望できるのですが、この日は生憎の曇り空。
さらに間の悪いことに、この日の山頂は口を開けば飛び込んでくるほど数多くのイタヤハムシが飛び交っていました。
とても休憩できるような状況ではなかったため、山頂の様子を確かめたらサッと退散。
帰りは羅臼平を回るルートで下山しました。

羅臼平にはヒグマ対策の一環としてフードロッカーが設置してあります。

羅羅臼平のフードロッカー

ヒグマに食べ物を奪われないよう、野営の際にはご利用ください。

フードロッカーの内部

幸いこの日はヒグマと遭遇することはありませんでしたが、羅臼岳ではいつヒグマに遭遇してもおかしくありません。
知床羅臼ビジターセンター、知床自然センター、ルサフィールドハウスでは、
24時間1,100円でクマスプレーのレンタルを行っていますので是非ご活用ください。

また、現在の羅臼町の日没は18時前後、羅臼温泉登山道のコースタイムは11時間です。
遭難のリスクは決して低くありません。
羅臼温泉登山道のご利用される場合は、余裕を持って計画を立てた上でご利用ください。

最後に、道中で出会った高山植物と昆虫をご紹介します。

イワブクロとハナバチ

イワブクロとハナバチ

アオノツガザクラ

アオノツガザクラ

エゾノミヤマアザミとエゾシロチョウ

エゾノミヤマアザミとエゾシロチョウ

華学