7/3~4 知床連山登山道(岩尾別登山口から硫黄山登山口)の状況
2024年7月19日
7月3日~4日に1泊2日で知床連山縦走路(岩尾別登山口‐硫黄山登山口間)の巡視を行いました。
羅臼岳、三ツ峰、サシルイ岳、オッカバケ岳...数々の山を越えて登った先に見える縦走路の景色ご紹介していきます。
今回は斜里町側の岩尾別登山口から入山しました。
日付や行程等を登山簿に記入したら出発します。
大沢までは林内を歩きます。ここでの楽しみ方はお花探し。
ゴゼンタチバナ
ハクサンチドリ
大沢の雪渓は例年に比べて2週間ほど早く融雪し、すでに登山道が出ています。
雪渓と登山道の境界が分かりづらいためか、間違った道を歩いてしまう登山者の方が多いと感じます。
登山をする方は、植生にインパクトを与えないため、しっかりとルートを見極め歩いてください。
三ツ峰の雪渓はまだまだありました。風の影響でしょうか、なんだか幻想的ですね。
サシルイ岳の雪渓(オッカバケ岳側)もまだまだ残っています。
雪渓に慣れていない人は慎重に歩きましょう。この先まだまだ長いのでケガには要注意です。
今回の宿泊場所は二ツ池の野営指定地。
夜は涼しかったため虫はいませんでしたが、朝起きたらものすごい量の蚊が。
準備を整え、蚊とともに6時に出発です。
シレトコスミレ。これを楽しみに歩いていました。
高山の限られた厳しい環境下にこんな可愛らしいお花が咲いているなんて逞しい...胸が熱くなります。
今年は雪解けと同じく少し早めかな?もうほとんど終わりかけのようです。
イソツツジ
知円別岳~こけし岩まできました。
緑の中に映える白がとてもカッコよく、どこか別の星に来たように感じます。
緊張感を持ちつつも急斜面のザレ場を横切り、白い火山灰の稜線を進みます。
こけし岩~硫黄山間の第2前衛峰の大雪渓は融雪が進み、登山道が出ていました。
雪渓がない状態でも斜度が急なため、注意が必要です。
硫黄山直下にも雪渓はもうありませんでした。地面から熱気を感じつつ進みます。
硫黄山山頂。歩いてきた山々を眺め、振り返る時間。感慨深く、達成感を感じます。
硫黄沢を降りる頃には気温も上がり始め、直射日光が我々を照らします。
硫黄沢の雪渓はもうほとんど終わりかけ。
7月4日時点で下流部の雪渓から融け出た水より、取水することができました。
雪解け水ってなんでこんなにおいしいんでしょうか。水道水に戻れなくなってしまいそうです。
硫黄沢を下り終わり、林内に入ると日常に戻ってきたように感じます。
非日常が終わってしまうのがなんだか寂しく降りたくない気持ちと、
疲労で早く降りたい気持ちで矛盾する重い足を持ち上げ下山しました。
【ヒグマ情報】
硫黄沢に古めのクマ糞
【水場状況】
弥三吉水:水豊富・浄水器使用
銀冷水:水豊富・浄水器使用
岩清水:取水不可能
三ツ峰の野営指定地:雪渓からの清流あり・浄水器使用
二つ池の野営指定地:沼水あり・浄水器使用
第一火口の野営指定地:雪渓からの清流あり・浄水器使用
【雪渓・登山道情報】
大沢:雪渓はほとんどなく、トラバース以外は夏道を使用。
三ツ峰~三ツ峰のテントサイト:雪渓あり。登山道への道迷い注意。
サシルイ岳の雪渓(オッカバケ側):下部は融雪により登山道は川状態。
第2前衛峰~知円別岳間:雪渓はほとんどなく、トラバース以外は夏道を使用。
硫黄山山頂直下:雪渓なし。
硫黄沢:雪渓はほとんどない。足場の狭い岩場を通るところがあり滑落、道迷い注意。
アイゼン:知床連山縦走路には一部雪渓が残っているが、気温が高い時は登山靴を雪渓にさして歩行可能。
雪渓に不慣れな方はアイゼンの着用がお勧め。
【開花情報】(7月3日~4日時点)
シレトコスミレ、チングルマ、エゾコザクラ、ウコンウツギ、イワヒゲ、チシマフウロ、
ゴゼンタチバナ、ミネズオウ、イワウメ、イワブクロ、エゾノツガザクラ、メアカンキンバイ
知床連山に関する最新情報は、知床羅臼ビジターセンターへお問い合わせください。
原口