羅臼岳羅臼温泉コースの状況
2024年6月25日
2024年6月23日羅臼岳羅臼温泉コースの巡視を行いました。
- 羅臼岳は標高1,661m。羅臼温泉コースは距離(片道)約7km、標高差約1,500mの上級者向けコースです。
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出発前に知床羅臼ビジターセンターで最新の情報を入手しクマスプレーや鈴等のヒグマ対策の装備を整え、
夏季でも急な冷え込みに備えるため防寒着ならびに雨具やヘッドランプを持参してください。
登山初心者の私の目線で今回の巡視を振り返ります。
登山計画書どおり朝4:00肌寒く薄暗い中、知床羅臼ビジターセンターを出発します。
歩道の維持管理に役立てる為にも入林箱で日付、時間、名前、住所などの記入をし羅臼岳登山口羅臼温泉側より入山します。
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まずは里見台を目指します。
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朝露で濡れた枯葉や苔の生えた石に足を滑らせないように気をつけながら緩やかな上り坂を進むと、
その先に水量は少ないですが木隠れの滝が現れます。
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細い登山道が笹藪等で見えづらくなっていますが、
土砂崩れのため通行禁止となった区域に立ち入らないよう気をつけながら進みます。

里見台に到着し木製のテーブルとベンチがあるのでこちらで一休み。
晴れていたら羅臼の街が見えるらしいのですが、この日は生憎の空模様。
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しっかりと休憩を取ったあとは、細く見通しの悪い道をひたすら進みます。

途中、真新しい倒木がありました。風で折れたのでしょうか。
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第一の壁、第二の壁を越え見えてくるのが、次の休憩場所の泊場です。
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硫黄の香りが立ち込める川の中州で一休み。
川の水は飲用できませんので、山頂に向かって右手の斜面より湧き出ている水で給水ができます。
エキノコックス対策として煮沸や浄水器を使いましょう。

しばらく進むとシマリス(画像がぶれてしまったが)が顔を出してくれました。

10本爪以上のアイゼン、ピッケル必須の屏風岩、お花畑の雪渓を一歩一歩慎重に進みます。
なれない雪の壁になかなか前へ進めず体力を削られます。

雪の残る岩清水直登コースで体力が残り僅かになってきた時、視界の先に三ツ峰(標高1509m)が姿を現しました。
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その美しい姿で少し元気を取り戻し、進んだ先には岩清水分岐。

こちらの水場はわずかに垂れ落ちている程度なので、羅臼平にてテント泊をする際は十分な水をご持参ください。

下山の事を考えると私の体力と時間は岩清水で限界。残念ながら引き返すことに。
目前の羅臼岳に次回こそ登頂するぞと誓いました。
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羅臼温泉コースの利用は、長時間行動できる体力、時期によっては急斜面の雪渓を登る技術が求められます。
利用の前に必ず知床羅臼ビジターセンターで情報を入手してください。
渡辺