おかえりなさい
2023年10月11日
9月上旬。「まだ来ない」ランドセルを背負った子ども達が、
来る日も来る日も橋の上から川を覗き込みます。
気温が10℃を下回っても短パンで通学する羅臼っ子は、
毎年この時期に海から羅臼の川に帰ってくるシロザケやカラフトマスを見るのが楽しみなのです。
鮭漁の最盛期になると、羅臼町の給食では定置網漁師(鮭漁師)さん達からの焼き鮭やいくら丼が振舞われます。
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今は当たり前に思っていても、
大きくなったらどんなに贅沢な給食を食べていたのかきっと分かる日が来るでしょう。
待ちきれないと言わんばかりに川を覗き込むのは大人も一緒。
今年こそは沢山サケが獲れますようにと願をかけます。そして数日後。
「やっときた!」ようやく羅臼の川にもサケ・マスが戻ってきました。
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10月に入った今は、サケ・マスの遡上も安定して見られます。
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ボロボロになりながらも懸命に命を繋ぐ姿は、子ども達の目にどう映っているのでしょう。
来年も再来年もその先もずっと、魚たちが元気に戻って来られる川でありますように。
知床財団 みやこし