ある朝の散歩記

2023年09月29日

9月後半。徐々に気温が下がってきて、肌寒さも感じるようになりました。
このちょっぴり寒い朝が大好きです。自然豊かな知床に漂う、ピンと張った空気を朝一に身体に取り込める喜びはひとしおです。

てくてく川まで足を伸ばすと、河口ではたくさんの釣り人達がサケ釣りを楽しんでいました。
これも、秋の風物詩ですね。

今年のカラフトマス・シロザケの遡上の数は例年に比べると少ないようです。
それでも、川に目をこらすと数匹のシロザケがいました。早い水の流れに負けじとじっとして、進むべき良いタイミングを見計らっているようでした。

なぜシロザケは母川回帰できるのか?
いくつかの研究では、サケ科魚類が太陽の動きや地球の磁気を感知したり、鋭い嗅覚がある事が確認されています。
ただ、母川回帰の正確なメカニズムは完全には解明されておらず、こうした研究も進行中のもののようです。
まだ私たち人類が未発見の物質なども感知しているのかもしれません。
知床のこの川に戻ってくるまでの約4年間、オホーツク海からアリューシャン列島近郊やアラスカ湾まで荒々しい北方の海を回遊するのですから、特殊能力をたくさん備えていそうです。

自然界の数多の試練を乗り越えて、産卵のために一心不乱に上流を目指す姿には、本当に心打たれます。
その後のサケは皆、息絶えてしまう運命も悲しい、、、ですが、その死骸を陸の動物たちが食べ、知床の豊かな生態系には欠かせないものになります。
まさに陸と海をつなぐ存在。
カムイ・チェプ、神の魚とアイヌの人々が呼んだのも大きく頷けます。

知床財団 中村