6/21~22 知床連山(岩尾別登山口から硫黄山登山口)の状況

2023年06月27日

6/21、6/22に1泊2日で知床連山の巡視に行ってきました。
今回は岩尾別登山口から入山し、硫黄山より下山するコースです。
2日間天候が良かった為か、山開き前の平日にも関わらず多くの方が利用されていました。

岩尾別登山口から入山し、大沢までの登山道脇に咲く花を眺めながら進みます。
途中の弥三吉水・銀冷水は沢水が豊富で浄水器を使って取水しました。

ここ数日間の雨や気温の高さで大沢の雪渓はだいぶ溶けており、上部以外は夏道を利用。
所々花が咲き始めていましたが、お花畑になるのはもう少し先かなというところでした。

羅臼平でフードロッカーのチェックをしていると…行く先に置き去りにされているザックを発見。
荷物を軽くして登頂したい気持ちは分かりますが、ここはヒグマの生息地。
置き去りにしたザックをヒグマに荒らされてしまう恐れがあります(先週はこの付近でヒグマとの遭遇あり)。
自分の荷物はきちんと持って移動しましょう。
※フードロッカーにザックを入れてしまう方もいますが、こちらもルール違反です!

振り返って見えた美しい景色や咲き始めの花たちについつい見とれ、いつまでも留まりたくなりますが、先へ進みます。
三ッ峰のテントサイトはこの日はほぼ満員とのことでした(すれ違った利用者より)。

サシルイの大雪渓を過ぎた後、ミクリ沼までの登山道は雪解け水で川の様になっていました。
脇道にそれると植生を痛めてしまうため、しっかりとルート上を歩きます。
狭い道幅にハイマツもあり、引っかかったらドボンと行きそうなのでご注意ください。

二つ池。天の池は半分以上雪に埋もれていましたが、地の池はしっかり取水できる状態でした(浄水器を使用)。
初日は二つ池テントサイトにてテント泊です。この時期まだ蚊には悩まされずに済みました。

2日目。二つ池テントサイトを出発し、南岳へ向かう道はハイマツや木の根に阻まれ、歩きにくいところも多いですが、
辛抱強く進みました(ハイマツ帯で予想以上に時間を消費)。

ヒグマの足跡を発見

砂礫地ではシレトコスミレの姿が(そろそろ見ごろですよ!)

知円別岳~こけし岩間は砂礫地で滑りやすいため緊張が続くエリアですが、
日本とは思えないようなダイナミックな景色を眺めることができます。
遠目に眺めていた時はここを通るのか…と恐怖心でいっぱいでしたが、
いざ歩いてみると景色の素晴らしさにまた訪れたいと思ってしまうのでした。

第2前衛峰にはしっかりと雪渓があり、アイゼン必須

硫黄山の頂上直下では2頭連れの親子ヒグマに遭遇しました。
親子のヒグマの場合、親が子を守るためにブラフチャージ(威嚇突進)をしてくることもあります。
距離や場所を考え、場合によっては無理をせず引き返すことも必要です。

硫黄沢の雪渓状況
所々に雪渓はあります。私たちは下りであったため、アイゼンを使用しませんでしたが、
上りや下りに自信のない方はアイゼンを装着した方が安全に登山できます。
また、雪解け水が至る所にあるため、浄水や煮沸ができれば取水が可能です。

硫黄沢は下りすぎないよう、ロープ見逃し注意

この日は日差しが強く、新噴火口や旧採掘跡など日影がないところでは思った以上に体力が奪われました。
熱中症にならないよう、水分補給や塩分補給を忘れず適度に休憩も取りましょう。
疲労を感じるころ、足元は岩場が続くので最後まで気を抜かないよう下山しました。

【ヒグマ情報】

【水場状況】

【雪渓・登山道情報】

【開花情報】
シレトコスミレ、チングルマ、エゾコザクラ、キバナシャクナゲ、チシマフウロ、ゴゼンタチバナ、ウコンウツギ、ミネズオウ、イワウメ、ミツバオウレン、メアカンキンバイなど

●知床連山は8月上旬頃まで登山道上に雪渓が残り、道迷いしやすい場所もあります。
直近の雪渓状況・ヒグマ情報などを入手し、計画をしっかり立てて登りましょう。
※心得や利用ルール等もこちらで見ることが出来ます。

羅臼岳・知床連山に登る方へ

●カムイワッカ~硫黄山登山口の道道利用は「通行止め区間の特例使用申請」が必要です(6/1~10/1)。

オホーツク総合振興局網走建設管理部「道道知床公園線の通行の取り扱い」について

●7/22~8/19はマイカー規制期間の為、カムイワッカ林道はマイカーでは通行できません。
シャトルバスをご利用ください。

斜里バス株式会社

知床財団 萱野