観音岩までの岬トレッキング体験ツアーの実施報告

2022年9月26日

9月17日の土曜日、相泊からのトレッキングツアーを行ないました。
出発時の天気は曇り。天候が変わりやすい地域なので、当日は知床財団のスタッフが天候判断しながらのスタートとなりました。

本イベントは羅臼町主催、知床財団が企画・運営したものです。
参加者は町内の広報やSNSなどを見て、町内外からご参加していただきました。

時期や天候によって、長靴でも渡れないほど水位が高くなるカモイウンベ川。
当日の水位は落ち着いており、スタッフが参加者をサポートしながら岩場を使って対岸へ行きました。
今回は小学生も参加していたのですが、身軽なのもあり大人よりも簡単にピョンピョンと渡っていました。

川の渡渉が不安な方は、海岸に落ちている流木などを杖代わりにし安全を確保して渡りました。

カモイウンベ川を少し進むと、木製で出来た橋が出てきます。
この橋は少し斜めになっていて、バランスを取りながら慎重に渡る必要があります。
橋の耐久度や体幹に自信のない方は、河口を渡渉するほうが安全かもしれません。

参加者に様々な状況やシチュエーションに併せて行動することが大事であることをお伝えしました。

観音岩を目指して歩いていましたが、クズレハマの番屋付近で霧雨が強くなり引き返すことにしました。
雨で濡れた石浜は、足裏のグリップが効きにくい状態になります。
濡れた石浜でトレッキングすることが如何に難しいのか、参加者も理解しながら歩いていました。

相泊漁港に帰着後にルサフィールドハウスへ戻り、参加者に本イベントのまとめを行いました。
希望者へは海岸トレッキングに必要な懸垂下降の練習をしました。小学生の参加者は楽しそうに何度も懸垂下降を練習していました。

今回のツアーは途中から天候が悪くなるケースでしたが、実際の海岸トレッキングでも十分あり得るシチュエーションです。
このような体験を参加者ができたことは、主催者として良かったと思います。
当然、晴天でツアーができたほうが気持ちのいいトレッキングになったはず。
ですが、今回の参加者が本気で知床岬の海岸トレッキングへ行くとなった際、雨天でのトレッキングを余儀なくされることも考えられます。
少しでも参加者がリアルを体験できればそれが一番です。

最後になりますが、知床岬までトレッキングをする際は、天候の把握・道具の使い方やヒグマへの対処などの臨機応変な対応や知識が必要です。
また9月になると、羅臼側の海は時化やすくなります。詳しいことはルサフィールドハウスまたは知床羅臼ビジターセンターにお問い合わせください。

なお、以下にシレココ「知床半島先端部地区 利用の心得」のURLを添付しますので、参考にしてみてください。