羅臼岳周辺における遭難・事故情報の共有
2021年7月27日
7月に入り登山日和が続き、羅臼岳や知床連山を利用する方が多くなりました。
それにともない、遭難・事故が多発しています。
下記に7月中に発生した遭難・事故情報を記載します。
- 2021/07/05:硫黄山で滑落負傷、救助隊により救出。
- 2021/07/12:羅臼岳頂上付近にて転落負傷、ヘリにて収容。
- 2021/07/20:知床連山縦走路にて負傷、二つ池でヘリにて収容。
- 2021/07/21:斜里岳下二股付近にて体調不良、ヘリにて収容。
- 2021/07/23:知床連山縦走路にて滑落負傷、ヘリにて収容。
- 2021/07/24:知床連山縦走路にて負傷、ヘリにて収容。
情報については下記のURLでも確認できます。
このように、7月だけで6件もの事案が発生しております。
警察の方曰く、最近の暑さとコロナ禍での安易な登山が増えていることの両方が、起因しているのではないかとのことで、いずれにせよ発生頻度が異常とお話していました。
知床の山々は標高の割に登山ルートとしての難易度は高めであり、本州の3000m級の山並みに匹敵するレベルと言われています。
急峻な地形をゆく登山道、ヒグマとの遭遇も少なくないことから安易に登ると怪我をしかねません。
また、羅臼平を覆うガス(霧)が救助ヘリの到着を妨げる恐れもあり、必ずしも助けがこれる確証もなく、怪我の具合によっては命を落とすことに繋がってしまいます。
そのため、登山に訪れる際は準備をしっかりし、
無理のない行程で楽しめるよう心がけて頂ければと思います。
気温の高い日が続いており、熱中症になるリスクも高くなっております。
給水ポイントが限られることから水は多めに持ち、水分補給とミネラル補給はこまめに行うようにしてください。
また、給水ポイントは時期によって枯れてしまう場所もあるので、登山口近くのビジターセンターなどに寄って情報を集めることも大変重要です。
これ以上の事故無く、みなさまが登山を楽しめたらと思います。
羅臼自然保護官事務所