羅臼岳・知床連山に登る方へ
道迷い
8月上旬ころまで登山道に残る雪渓がいくつかあり、羅臼温泉コースの屏風岩や岩尾別コースの大沢、連山縦走コースの大沢は遅い時期まで雪渓が残るため、道迷いに注意が必要です。特に下りの屏風岩の雪渓では、サシルイ沢への迷い込みに注意が必要です。またかなりの斜度があるため、12本爪アイゼンを装着しての登降をお勧めします。
また、連山縦走路では雪渓の有無にかかわらずルートが不明瞭な場所があるので、地図を読んで行動できる技術が必要です。特に登山道が不明瞭になる雪渓上や霧などの天候不良時は、登山道を見失いやすくなります。事前にルートをよく確認し、地形図とコンパスを使って確認しながら歩くことが大切です。
ヒグマ
ヒグマにかかわる危険や事故を避けるために、最も大切なのは「出会わないこと」「引き寄せないこと」です。
物音や声で人間の存在を知らせ、バッタリ遭遇を避けること、ヒグマが餌付いている可能性が高い動物の死体に近づかないこと、野営地では適切にフードロッカーを使用し、調理や食料・ゴミの管理を徹底することなどの対応が大切です。
また、クマスプレーを携行し、万が一出会ってしまったときはヒグマに背を向けず静かに後退するようにします。しかし、その時々の状況によって望ましい対処法が異なるので、十分事前に情報収集を行いましょう。
クマスプレーは、知床羅臼ビジターセンターでレンタルできます。
ヒグマの基本知識、対策法など、以下のページで確認できます。
携帯トイレ
特定の場所に集中する登山 者のし尿が、悪臭や水場の汚 染、紙類の放置など問題を引 き起こしています。ゴミの持ち帰り、携帯トイレの使用を心がけ 、きれいな環境を守りましょう。
岩尾別コース銀冷水には携帯トイレブースが設置されています。 携帯トイレを使用するための専用ブースですので、通常のトイレ 利用はできません。使用方法を守って適正なご利用をお願いします。
使用済み携帯トイレの回収ボックスも設置していますので、使 用後は回収ボックスまで持ち帰ってください。
羅臼側は羅臼温泉野営場(分別後、観光客用有料ごみ袋\100にいれて燃えるゴミの箱へ)、ウトロ側は木下小屋、カムイワッカ湯の滝ゲート(分別後、専用ボックスへ)に使用済み携帯トイレ回収ボックスが設置されています。また、携帯トイレは当センターや知床世界遺産センター、知床自然センターなどで販売しています。
二ツ池
野営地の一つでもある二ッ池周辺は、2012年 より新しいルートに切り替わりました。 二ッ池周辺は知床連山の中でも数少ない湿原で、希少な植物の生息地 ですが、雪解け水の流入で水路化し、登山者がぬかるみを避けることで 複線化していました。複線化による湿原植生のダメージを防ぐため、ハ イマツ帯にルートを変更しています。
植生保全のため、天の池西側に新設されたルートをご利用ください。
フードロッカー
フードロッカーとは、羅臼 平・三ッ峰・二ッ池・第一火 口の野営地に設置してある 金属製食料保管庫です。
テント内に食料の匂いがある状態で就寝することは大変危険 です。調理や食事はテントから離れて行い、食料や、調理をし た食器、ゴミなどヒグマを誘因する可能性のあるものはビニー ル袋で密封してフードロッカーに入れ、就寝してください。 野営地を去るときは必ずすべて持ち帰り、放置したりゴミ箱が わりにするようなことは決してしないでください。
また、ザックなどを入れて一時的な荷物置き場に利用する方 が見られます。本当に利用したい人が利用できなくなり、危険な状況にさらしてしまうことにつながります。適正な利用をお願いします。
硫黄山登山口
硫黄山登山口~カムイワ ッカ湯の滝区間の道路は、 落石の恐れがあることから 通行止めとなっています。
徒歩による登山者に限り 「通行止区間の特例使用申請書」を行い、利用することが できます。
【申請方法】
道路特例使用承認申請書に必要事項を記入して、持参のほか郵送、FAX、メールで事前に提出ください。申請先は、北海道オホーツク総合振興局となります。
ストックキャップ
希少な植生を傷つけた り、登山道の荒廃につなが る恐れがあるため、無雪期の歩行補助にストック(トレッキングポール)を使用するときは、先端にキャップ(カバー)を着用するなどの配慮をしてください。
その他
- 野営を行うときは、ロープなどで定められている場所以外でテントを張らない。
- 火を扱うときは周囲の植生を傷めないように注意する。
など
他にも守っていただきたい登山利用のルールがあります。 知床の山を安全・快適に楽しむため、情報入手に努めてください。