
日本では北海道及び北方領土のみに生息する、世界最大級のフクロウです。
かつては北海道全域でその姿が見られましたが、
20世紀の後半には絶滅寸前まで生息数を減らしました。
現在、道東地域を中心に100つがい以上が確認されていますが、生息地は道内の一部に限られており、依然として絶滅の危機に瀕しています。

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魚を主食として、大木にできた樹洞に巣を作るという生態をもつシマフクロウの存在は、 豊かな森・川・海の象徴とも言えます。
また、夜行性のためあまり人目につきません。 -
なわばり性が強く一年を通じて同じ地域に定着し、一旦つがいを作ると、長く連れ添います。
親元から離れた子どもは別の場所へ移動して新しいなわばりを形成します。 -
シマフクロウには30年以上生きる個体もいます。
繁殖期には1~2個の卵を産みますが、繁殖成功率は極めて低いです。
森林伐採等による営巣木、生息地の減少や、河川改修等による餌資源の減少により、生息数が減少してしまいました。


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原因❶
森林から農地や都市等への土地利用転換に伴う生息可能地の減少
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原因❷
大規模森林伐採による生息環境や営巣木の消失。
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原因❸
交通事故や感電事故等の人間活動にかかる事故
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原因❹
生息地への人間の入り込みによる繁殖及び採餌への影響
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原因❺
河川改修、水質汚濁、漁業(遡上するサケ、マスの河口部での捕獲等)による餌資源となる河川に生息する魚の個体数の減少
このような課題を解決し、シマフクロウを増やすために国などの取り組みが行われてきました。
近年、個体数は回復しつつありますが、生息地は道内の一部に限られており、これからはシマフクロウの生息地を拡げる取り組みも重要になります。