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省エネ住宅・ZEHに住むメリット

省エネ住宅に住むメリット

省エネ住宅に住むメリットとして、健康性・快適性の向上と光熱費の削減が挙げられます。これらは主に、住宅の断熱性能や設備の省エネ性能を高めることによって実現されます。

メリット1快適性と知的生産性の向上

断熱性能を高めることで、住宅内の温度ムラが小さくなり、暖冷房時の不快感が軽減されます。


慶應義塾大学の研究では「昔の住宅:断熱等級2」「今の基準適合住宅:断熱等級4」「高断熱住宅:断熱等級6」の断熱性能を再現した実験室で、エアコンの設定温度を22℃程度に設定して、各室の室温低下状況や温度ムラ、そして知的生産性の差を検証した学術論文によると、断熱性能が高い部屋ほど室内の温度ムラが小さく快適な環境を維持しているだけでなく、創造作業の成績が向上する結果が示されました。


このことから、高断熱住宅は単に「暖かい・涼しい」だけでなく、在宅ワークや学習など、日常生活全体の質を高める住環境であるといえます。

  • 昔の住宅:断熱等級2
  • 今の基準適合住宅:断熱等級4
  • 高断熱住宅:断熱等級6
出所)慶應義塾大学伊香賀俊治研究室 「住宅断熱性能の違いが生理学的反応及び在宅作業成績に及ぼす影響に関する被験者実験」

メリット2健康で安心な住環境の実現

省エネ住宅、とりわけ高断熱住宅では、外皮性能を高めることで室内の温度変化や部屋ごとの温度差を抑えることができます。これにより、冬でも家全体を一定の温度に保ちやすくなり、厚着に頼らず快適に過ごすことが可能となります。

出所)世界保健機関(WHO)ホームページより

WHO Housing and health guidelines

世界保健機関(WHO)は、住宅の冬季室内温度について「最低でも18℃以上を確保すること」を強く勧告しています。室温が18℃を下回ると、血圧上昇やヒートショック、循環器疾患・呼吸器疾患のリスクが高まることが指摘されており、特に高齢者や子どもが暮らす住宅では、より暖かい室内環境が求められます。

しかし、国土交通省の調査によれば、WHOが推奨する冬季室温18℃を満たしていない住宅は全国の約9割を占めており、温暖地とされる地域でも冬季室温が低い実態が明らかになっています。こうした背景から、住宅の断熱性能向上は寒冷地に限らず、全国共通の重要な課題といえます。

また、総務省消防庁のデータによると、熱中症の約4割が住居で発生しています。高断熱住宅では、こうした住宅内での熱中症リスク低減のメリットもあります。

その他、結露予防によるカビの発生抑制や、遮音性の向上といったメリットもあります。


メリット3光熱費の削減

省エネ住宅では、外皮の高断熱化に加え、高効率な空調設備や給湯設備、LED照明、換気システムなどを導入することで、快適性を維持しながらエネルギー消費量を大幅に削減することができます。


東京23区(地域区分6)の一戸建120㎡モデル住宅を用いたシミュレーションでは、断熱等性能等級が高い住宅ほど、暖冷房にかかる光熱費が大きく削減される結果が示されています。省エネ住宅は、エネルギー価格の変動リスクを抑え、家計の安定にも寄与する住まいといえます。

断熱等性能等級 等級3 等級4 等級5 等級6
年間の暖冷房光熱費 127,330 円/年 87,652 円/年 61,305 円/年 55,093 円/年

出所)令和5年度 省エネ住宅の普及拡大に向けた課題分析・解決手法に係る調査検討事業委託業務報告書

【シミュレーション条件】
  • 地域条件:東京都23区を想定(地域区分6)
  • 住宅モデル:国土交通省「自立循環型住宅開発プロジェクト標準プラン」(一戸建120㎡)
  • エネルギー計算:国立研究開発法人建築研究所「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」ver.3.5を使用
  • 外皮仕様:断熱等性能等級を満たす外皮仕様を基に想定
  • 設備仕様:主たる居室、その他居室にルームエアコンディショナーを設置
  • 電力料金:東京電力 電灯B契約の重量単価(2023年10月時点)を基に試算

再生可能エネルギーを導入したZEHに住むメリット

省エネ住宅のメリットに加え、太陽光発電などの再生可能エネルギーを搭載したZEHでは、エネルギー自立性の向上やレジリエンスの強化といった、さらなる価値が生まれます。


メリット4光熱費のさらなる削減

ZEHでは、省エネ性能の向上によって一次エネルギー消費量を20%以上削減したうえで、太陽光発電などによりエネルギーを創出します。その結果、購入するエネルギー量を大幅に抑えることができ、年間の光熱費負担を一層低減することが可能となります。

メリット5災害時の安心・レジリエンス向上

太陽光発電を備えたZEHは、台風や地震などによる大規模停電が発生した場合でも、一定の電力を確保することができます。住宅全体が省エネルギー化されているため、限られた発電量でも効率的にエネルギーを活用できる点も特徴です。さらに、蓄電池を併設することで、夜間や天候不順時にも電力を使用でき、災害時の生活継続性が高まります。

メリット6制度・税制面での優遇

ZEHは、国の住宅・エネルギー政策の中核として位置づけられており、住宅ローン減税や【フラット35】S(ZEH)などの金融・税制優遇措置の対象となっています。令和7年度税制改正においても、ZEH水準の省エネ住宅に対する支援策は引き続き講じられる予定であり、初期投資負担の軽減という面でもメリットがあります。

令和7年度 住宅ローン減税について

省エネ住宅・ZEHに住むには

新築の省エネ住宅・ZEHを建てる・探す

省エネ住宅・ZEHを新築する

2030年にはZEH水準の省エネ住宅が新築の標準になります。

これからマイホームを新築するのであれば、ZEH仕様にすることを工務店やハウスメーカーに相談してみましょう。

一般社団法人 環境共創イニシアチブでは、全国のZEHビルダー/プランナーを公表しています。

ZEHビルダー/プランナー一覧

省エネ住宅・建売ZEHを探す

新築建売住宅でもZEH化の動きが進んでいます。

ZEHビルダー一覧で「新築建売戸建住宅」を選択して検索すると、ZEH物件を取扱っている不動産事業者をみつけることができます。

ZEHビルダー/プランナー一覧

自宅を省エネ住宅・ZEHに改修する

窓の交換や外壁・床・天井等に断熱材を付加して断熱性能を高めたり、高効率な設備機器(エアコン、照明、給湯機等)を導入したりする改修(リフォーム)によって、自宅の省エネ性能を高めることができます。


断熱改修

断熱改修は、住宅の中の熱(冬は暖かい熱、夏は冷たい熱)がなるべく外に逃げないように、また、冷房期に日射熱がなるべく入ってこないようにするための改修です。そのため、改修対象となる主な部位は、「最下階の床」「外壁」「窓」「最上階の天井」になります。


断熱改修には、すべての部位を断熱改修する「全館断熱改修」と、窓など部位ごとに改修する「部位別断熱改修」、そしてリビングや寝室など特定の部屋だけを断熱改修する「部分断熱改修」があります。これら断熱改修の手法と注意点は以下のとおりです。

特徴 注意点
全館断熱改修
  • 最も断熱性能を高めることが可能
  • 同時に住宅の気密性を高める(空気が逃げないように隙間を減らす)ことでさらに快適な住まいに
  • 部位別改修や部分断熱と比較すると改修コスト大
  • 24時間換気設備のない住宅は換気設備導入も同時に行う必要がある
部位別断熱改修
  • 効果の高い部位から着手できるので予算に応じて実施可能
  • 段階的な改修が可能
  • 未改修部位が多いほど、省エネ効果や快適性の向上効果は小さい
部分断熱改修
  • 滞在時間の長い部屋から優先的に取り組むことで限られた予算の中で効果を得られる
  • 段階的な改修が可能
  • リビングや寝室だけ部分断熱すると、廊下や水回りとの温度差が高まりヒートショックなど健康被害リスク増加の可能性があるため、適切な施工範囲の策定が重要

部位別改修では、まずは住宅の中で最も熱の損失が大きい窓等の開口部から行うことが効果的です。各部位の改修のメリットと注意点は以下のとおりです。

メリット 注意点
窓の断熱リフォーム
  • 窓は住宅の中で最も熱の損失が大きいため、改修によって高い効果を得られる
  • 住まいながらの改修が可能
  • 高性能な窓程、厚みが増すため、窓回り(窓台など)が狭くなる
(最下階)床の断熱リフォーム
  • 冬の足元からの底冷え防止に高い効果がある
  • 気密性が高まり、冬場の冷気流入をおさえられることから室内の温度ムラを抑える効果も期待できる
  • 住まいながらの改修が可能
  • 断熱材の厚みによって、床が高くなり天井高が下がる可能性がある
(最上階)天井の断熱リフォーム
  • 夏は、小屋裏からの熱流入を抑えることで、室内の温度上昇を抑える効果が高まる
  • 冬は、暖房で温めた暖気が小屋裏に逃げなくなる
  • 住まいながらの改修が可能
  • 屋根裏空間は断熱されない
    ※屋根裏空間も断熱したい場合は、屋根を断熱することも可能
外壁の断熱リフォーム
  • 住宅の中で、窓の次に熱損失が多いため、改修によって高い効果を得られる
  • 住まいながらの改修は難しい
  • 外壁は面積が大きいため、すべての外壁を断熱改修すると大規模工事になる

高効率な設備機器の導入

住宅の設備を高効率なものに交換することによってエネルギー消費量を削減できます。ただし、断熱改修で得られるような「快適性」のメリットは得られないため、断熱改修と合わせて行うことが望ましいです。各設備の概要については以下のとおりです。

概要
暖冷房
  • エネルギー効率の良いエアコンなどの暖冷房設備を設置することで消費エネルギーの削減が可能です。
照明
  • 高効率なLED照明を設置するほか、人感センサーや調光器具の採用も効果が期待できます。
換気
  • 消費電力の小さい24時間換気システムや、屋内外の空気熱を円滑に移し替える熱交換換気設備の採用は、消費エネルギーの削減につながります。
給湯器
  • エコキュートなどの電気ヒートポンプ給湯器や、エコジョーズのような潜熱回収ガス給湯器などが、高効率な機器の代表です。

ZEHに改修する

断熱改修と高効率な設備機器等の導入に加え、太陽光発電など再生可能エネルギー等を導入することにより、ZEH 基準を満たす住宅に改修することができます。(今後、更新予定)

省エネ住宅・ZEHを選ぶ

省エネ性能ラベルで選ぶ

「省エネ性能ラベル」では、省エネ・断熱のレベルや年間の光熱費の目安などが一目でわかるように表示されており、建築物を購入・賃借する際に、省エネ性能の把握や比較ができることができます。

2024年4月から、事業者は新築建築物の販売・賃貸の広告等において、省エネ性能の表示ラベルを表示することが必要となっています。

ラベルの種類は、建物の種類(住戸/住棟)、評価方法(自己評価、第三者評価)、再エネ設備のあり/なしで異なります。

●住宅(住戸)の第三者評価ラベルでZEH水準の断熱性能
(断熱等性能等級5)、太陽光発電ありの場合の表示例

出所)国土交通省「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」解説より

BELSで選ぶ

省エネ性能ラベルの中でも、第三者評価機関が建築物の省エネ性能を評価して表示するものがBELSです。BELSでは、ZEHを取得した場合、『ZEH』、Nearly ZEHなどランクに応じたZEHマークも表示されます。

BELSでは省エネ性能ラベルの他に、BELS評価書が作成されます。BELS評価書には省エネ性能ラベルには表示されていないエネルギー消費性能や断熱性の数値などの詳細な情報が記載されています。

省エネ性能の高い住宅を探す際には、不動産事業者にBELS評価について相談してみましょう。

●住宅(住戸)のBELS評価書

出所)一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
「2024年4月以降のBELS(第三者評価)制度」より

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